2015年の世界市場を振り返ると、前半は順風満帆だったが、後半は波乱の展開となった。主要先進国株の代表的インデックスである「MSCIワールド株価指数(現地通貨ベース)」は、15年前半は3.1%上昇したものの、年後半は3.7%下落した。
15年央に持ち直していた国際商品市況は、年後半になると再び下落基調を強め、株価もピークアウトした。8月には中国が人民元切り下げに踏み切り、新興国経済に対する市場の不安感が膨らんだことも響いた。年末にかけて株価がやや持ち直し、米国利上げも市場は冷静に受け止めたが、株価を大きく押し上げるには至っていない。
16年は、昨年後半に浮上したリスク要因をそのまま引きずる幕開けとなった。世界的には、米利上げが今後2度、3度と実施されていった場合の影響、止まらない国際商品市況の下落、中国経済の不安、地政学リスクの高まりが先行きを曇らせる。国内的には円安傾向が限界に近づく中で企業業績の拡大基調が維持できるのかが注目される。
そんな状況下で株価を展望するポイントは、やはり米利上げが米国経済にどういった影響を与え、市場がどう展開していくのかであろう。今回は過去の米利上げ局面でのドル・円相場と米国株価の動きを見ることで、今後の示唆を得てみたい。
株高に動きやすい傾向
まずドル・円相場の影響について、最初の1年目は80年代以降すべてのケースでドル安・円高だった。2年目になると4回中3回がドル高・円安に転じ、3年目はすべてでドル高・円安となっている。興味深いのは04年である。1年目のドル安・円高傾向は限定的で、2年目以降のドル高・円安転換も比較的穏やかだった(表1)。これはFRB(米連邦準備制度理事会)が経済・金融環境について市場と認識の差が生じないよう「市場との対話」を重視した結果とみられる。米政策金利であるFF金利の先行きを反映するFF金利先物市場は当時、1年後に3.0%まで上昇するとみられており、1年後には本当に3.0%まで引き上げられた。それだけ金融当局と市場との認識が一致し、市場の波乱が巧みに抑制されていたのである。
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