米国の利上げ観測、中国の景気失速懸念に市場が揺れているが、日本の景気も芳しくない状況にある。
日本の4~6月期のGDP(国内総生産)は1次速報で前期比年率換算でマイナス1.6%だった。寄与度で見ると消費と純輸出が不振で下押しした(図表1)。
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9月8日発表予定の2次速報では法人企業統計調査による設備投資と在庫の状況が反映される。設備投資は1次速報で前期比マイナス0.1%だったが、2次ではマイナス1%前後に下方修正されるというのがエコノミストの予想。一方、在庫が積み上がっており、GDPではこれが押し上げ要因になる。結果、GDPはほぼ変わらないが、内容が悪化したとみられる。
実際、7月の鉱工業生産は、前月比マイナス0.6%と2カ月ぶりに低下した。経済産業省は基調判断を「生産は一進一退で推移している」と据え置いた。出荷も同マイナス0.3%と2カ月ぶりの低下。在庫もマイナス0.8%と2カ月ぶりに下がり、在庫率はマイナス1.1%と2カ月連続で減少したものの、依然高水準だ。そのため生産は今後も低調が予想される。指数の推移を見ると生産・出荷の停滞と在庫の高止まりが顕著だ(図表2)。
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支出側を見てみると、家計調査の7月分では、物価の影響を排除した実質消費支出は前年同月比でマイナス0.2%、前月比ではプラス0.6%となった。ただ、6月が天候不順で前月比3.0%のマイナスであり、回復しているとはいえない。指数で見ても、消費増税前の水準から一段下がった水準での推移となっている(図表3)。
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7月分の貿易統計では輸出金額は前年同月比プラス7.6%、輸入金額は同マイナス3.2%だった。輸出を価格と数量に分解すると輸出価格が同8.4%で円安により膨らみ、輸出数量は同マイナス0.7%だった。季節調整値の前月比では輸出がマイナス0.2%、輸入がプラス1.1%となっている。輸出数量は中国向けの減少が続いており、8月以降も同様の傾向が続くとみられる。
7~9月期のGDPはどうなるのか。
みずほ証券の末廣徹シニアマーケットエコノミストは「消費は天候不順だった4~6月の反動やボーナス支給などの効果でプラスになるが、外需が厳しい。設備投資は生産が伸びていないので、若干のマイナスが予想される。GDPは前期比横ばい程度と見ているが、下振れ方向でマイナスもありうる」という。
ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査室長も、「7~9月期の生産が横ばい圏にとどまりそうで、景気後退局面に差しかかっている可能性がある。在庫調整が進展するかどうかが注目点」と指摘する。
政府は対策に動くのか。円安は消費を下押しする懸念があり、政府は日本銀行による追加の金融緩和を望んでいない。だが、大規模な補正予算は、財政再建をさらに後退させるとの批判を免れない。





















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