「英フィナンシャル・タイムズ(FT)の理念や価値観はわれわれと同じと確信した。日経のグローバル化のためには最もよいパートナーだ」(喜多恒雄・日本経済新聞社会長)
7月23日。日経は英大手経済紙FTを英出版社ピアソンから買収することで合意した。紙から電子へのシフトに揺れる新聞界で、両社の強みはネットの有料会員数だ。「日経電子版の有料読者は43万人近い。FTのネット購読と合わせ90万人で世界最大に育つ」(岡田直敏社長)。
買収価格は約1600億円(8億4400万ポンド)。FTの2014年12月期の営業利益は2400万ポンドで、その35年分と決して安くない。ただ今回は、独大手紙アクセル・シュプリンガーという対抗馬がいた(ピアソンから日経に打診があった段階で社名は明かされていない)。米ブルームバーグなど、経済メディアにFTを買われる場合の機会損失まで想定し、喜多会長らトップが一気に決断した。
買収は年内にも完了。両社で重複する支局は、オフィスを集約する公算はあるが、人員削減はしない。
「国内市場縮小を考慮すれば有意義な決断」。海外メディアの動向に詳しい東京工芸大学専任講師の茂木崇氏はこの買収劇をそう評価する。
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