川崎製鉄と日本鋼管の合併でJFEスチールが誕生してから10年余り。この間、中国メーカーの台頭や、新日鉄住金の誕生など、業界を取り巻く競争環境は大きく変わった。いち早く経営統合を実現し、合理化による体質強化を推し進めてきたJFEグループ。今後の成長に向けて、どのような手を打つのか。林田英治社長に聞いた。
──昨年以降、台湾プラスチックグループ傘下でベトナムに高炉を建設中の会社に、JFEは出資を検討している。
自力で新しいものを造るより、動き出そうとしている高炉に出資するほうが勝算がある。実際の稼働はもう少し先(2016年に稼働予定)なので、リターンが確保できるかを詰めている。
東南アジアのインフラ需要はひところの勢いがないとはいえ、今後も順調に伸びていく。そこをきちっと捕捉していければいい。ベトナムの高炉に出資したり、提携先のインドJSWから鉄源を調達できれば、浮いた分でわれわれはまた別のものを造って規模を拡大できる。
──この10年間でタイをはじめ、中国やブラジル、ベトナムで高炉を造る計画が浮かんでは消えた。
海外に高炉が必要だという考えは今も変わっていない。ただ中国の過剰生産が2億~3億トンに達する中、しばらくは自力でアジアに高炉を造る選択肢はない。
──JFEグループの14年の粗鋼生産量は世界9位。一方、トップ10のうち6社が中国メーカーで、今や世界の粗鋼生産量の半分を中国が占めている。
鉄鋼業の基本は製鉄所単位の競争力と一体となった営業力にある。造っているものがどれだけよくて、いかに安くできるか。そこに売る力が合わさって、(企業としての)競争力を測る指標になる。中国の鉄鋼メーカーが完全に一つになると意味はあるが、バラバラであるかぎり、あまり恐れることはない。
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