今回の「イスラム国」の非道。いくら探しても言うべき言葉が見つからない。ただただ、湯川遙菜さん、後藤健二さんのご冥福を心からお祈りするばかりである。
そのうえで、今回の事件について3点、指摘しておきたいことがある。
イスラム国とは何か。それは犯罪者集団にほかならない。一刻も早く壊滅させ、法の裁きを受けさせる以外、国際社会がなすべきことは何もない。また、当然のことだが、犯罪者集団であるイスラム国とイスラム教は何の関係もない。それは、かつてのオウム真理教と仏教には何の関係もないのとまったく同じだ。
イスラム教徒の多い国はインドネシア、インド、パキスタン、バングラデシュなどなど。いずれも親日国で、温和な人々が暮らしている。間違っても、イスラム国とイスラム教を混同してはならない。これが第1点だ。
「ユースバルジ」の絶望
第2点目は、なぜ、このような犯罪者集団が生まれたのか、だ。米国がイラクのフセイン政権を倒したからである。欧米の価値基準からすれば、フセイン政権はとんでもない独裁政権だ。シリアのアサド政権も似たようなものだろう。だが、独裁政権であっても、それなりに治安は保たれ、社会は安定していた。
人間社会にとって最も大切なことの一つは、社会の安定と安全だ。社会が安定し、安全であってこそ、人間は仕事に打ち込める。仕事があれば家庭も持て、未来にいくばくかの希望が持てるのである。
欧米の価値基準に合わないからといって、その社会の安定メカニズムを壊してしまったらどうなるか。誰も安心して就業することができず、失業率が猛烈に高くなる。
この記事は有料会員限定です
残り 524文字
