食と農の問題に多方面から挑む
現代の農学教育が始動 【グローバルイシューの解決へ向けた人材育成】
龍谷大学

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収穫の喜びを知り学科を超えた絆を結ぶ
全員参加の農地実習

カリキュラム最大の特徴は、1学部約400名の全学生が赴く農地実習だ。ほとんど土に触れたことがない都市部出身の学生にも農業の喜びを教えることを目的とする。拠点とする瀬田キャンパスからバスでわずか10分ほどの大津市牧地区に約2.7ヘクタールの農地を借り、農家の協力を得ながら学生自らの手で米、麦、大豆、各種野菜などを育てるという。

実習は学科混合のグループを編成し、作付けから栽培、収穫、加工、販売まで一連のプロセスが行われる。ともに知恵を絞り、悪天候や虫害などの危機を乗り越え、農業に内在する喜びを分かち合う経験によって、学科を超えた友人関係が築かれる。ここで構築する関係は「農のゼネラリスト」に必要な人的ネットワークにつながるに違いない。

農業の喜びや大変さを体験したうえで、希望者は「農学部インターンシップ」に赴く。1週間ないし2週間、農業団体や養鶏業者など、プロフェッショナルの現場での就業体験から吸収できることは多い。プロの生産技術から製品をブランディングする手法までリアルに体感することで、農地実習や座学で得た知識を血の通ったものに昇華できる。さらには「海外農業体験実習」として、東南アジアなど世界各国の農業スタイルを視察することも想定している。

世の中に役立つ新しい農学を修めた
学生たちの未来像

龍谷大学農学部から巣立つ新たな人材は、社会のあらゆる分野で活躍することが想定される。農業従事者ばかりではなく、食品企業や農業関連団体で専門性を発揮する者、商社マンとして安全安心な食品の貿易に携わる者、金融機関で融資面から生産者を支援する者、行政の立場で支援制度整備に携わる者などが考えられる。食物の成り立ちや来歴を知ったうえで正しい食育を促す管理栄養士や、海外で日本の食文化や農法を伝導する者も現れるだろう。

龍谷大学 農学部長
食料農業システム学科教授(就任予定)
末原 達郎

末原達郎教授(学部長就任予定)はこう語る。

「TPP参加の是非はさておき、今後農産物貿易の自由化が拡大することは間違いない。その中で日本はイノベーションを起こし、生き
延びていかねばならない。あるいは我々が蓄積してきた知識や技術によって発展途上国を支援していくという使命もある。グローバルイシューの解決に向け、日本の農学が果たせる役割は非常に大きい。持続可能な社会に貢献するため、未来を見据えて社会的問題に立ち向かえる人材を育成していきたい」

龍谷大学農学部がスタートするのは2015年春。国内外の食と農分野のドラスティックな変革に向け、新しい歴史が刻まれようとしている。