武蔵野大学 工学部開設 総合大学として第2ステージへ
top interview
9学部14学科の総合大学として
一層の教育の質向上を図る
― 2003年に武蔵野女子大学を武蔵野大学に名称変更し、その翌年には共学化されました。来春には9学部14学科となります。この間の変化をどうご覧になっていますか。
寺崎 キャンパスの雰囲気がすっかり変わりました。男子学生が増え、女子学生にも良い刺激になっています。たとえば今秋、本学の女子学生が隊長を務める登山隊がヒマラヤの未踏峰に挑み、初登頂を成功させました。高い目標を掲げてチャレンジする学生が増えてきており、頼もしい限りです。
― 来年、開設される工学部はどのような特徴があるのでしょうか。
寺崎 「数理工学」という新しい学問領域の学科を設けたことが大きな特徴です。この学科では、数理工学の専門能力を身に付け、現実社会で直面するさまざまな課題を解決できる人材を育成する方針です。従来の学部もそうでしたが、工学部の先生方には、大学院でも指導ができるレベルの方をお招きします。十数年で総合大学まで到達できたのは嬉しい限りですが、第2ステージに入るこれからは一層教育の質を向上させないといけません。
大学に対する最終的な評価は、いかに卒業生が社会に貢献できるか、社会で活躍できるかにかかってきます。それを端的に表すのが国家試験などの成績ですが、本学では看護師国家試験の合格率が100%に達しているほか、薬剤師国家試験や社会福祉士国家試験などでも全国平均を大幅に上回る高い合格率を誇っています。そうした成果が残念ながらまだ一般にあまり知られていないので、これからは情報の発信にも力を入れていこうと考えています。
― 武蔵野BASIS(ベイシス)という教養教育システムが効果を生んでいると聞きました。
寺崎 学部横断型の教養教育を目指したもので、学部の枠を取り払い、全学部の学生が混ざって1年次に受講します。目玉の授業では35クラス編成で7分野を学び、講義の後にグループワークで討議します。これらは、教員の提案から生まれたもので、委員会を立ち上げ、学問領域の壁を乗り越えながら、運営をしています。教員たちが積極的にかかわる武蔵野BASISは、ほかでは真似のできない仕組みだと自負しています。学生たちに話を聞くと、学部や学科の違いを超えた友人関係が生まれたと話してくれます。学生にとってこれは大きな財産になるのではないでしょうか。大学の一体感を強めるうえでも、この教養教育は大きな価値を生んでいます。