「世界」と「日本」、2つの観点から
次代の国際人を育成。 【多文化共生社会の実現を見据えた国際学部の教学改革】
龍谷大学

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国境を越えた人の動きが活発化する現代社会において、異文化を受容し、国籍や民族を越えて共生できる人材が求められている。2020年の将来像のひとつに「多文化共生キャンパスの実現」を掲げる龍谷大学は、既存の国際文化学部を京都に移転・改組し、来春から国際学部を開設する。社会的要請に応えるべく、2学科体制で新たなスタートを切る国際学部の特色に迫った。

アウトバウンドとインバウンドの両面から
グローバル化を考える

近年、文部科学省は大学教育のグローバル化のための体制整備を積極的に推進している。来るべき多文化共生社会を見据え、語学力や異文化理解力を備えた人材を育成することは、大学教育が抱える重要課題のひとつだ。1996年に国際文化学部を瀬田キャンパス(滋賀県大津市)に設置するなど、長年にわたり国際化を推進してきた龍谷大学では、来春から同学部を深草キャンパス(京都市伏見区)に移転、改組転換し、新たに国際学部を開設する。近年、日本ではグローバルイシューに興味を持ち海外でリーダーとして活躍したい学生と、文化的要素に興味を持ち日本国内にいながら世界と日本をつなぐ役割を担いたい学生との二極化が進んできた。目まぐるしく変化する世界情勢や学生のニーズを踏まえ、国際学部は「グローバルスタディーズ学科」と「国際文化学科」の2学科体制で始動する。国際学部長就任予定の久松英二氏はこう語る。

「急速にボーダーレス化が進む現在、日本国内で暮らしていくうえでも、異文化理解と共生の考えが不可欠です。そのため、アウトバウンドとインバウンドの両面からグローバル化をとらえ、多文化共生社会を担える人材を育成することが重要です」

「多文化共生キャンパス」の実現に向けて、ハード面の整備も進む。これまで社会科学系学部が中心だった深草キャンパスに国際学部が加わることで、多様な国籍の教員や留学生がひしめく国際色豊かなキャンパスに生まれ変わるのだ。来春完成予定の新1号館(仮称)には、「龍谷大学ラーニングコモンズ」の一環としてグローバルコモンズや自律型言語学習支援施設が設置される。日本人学生と留学生、教員が英語や他言語で気軽に交流できるマルチカルチャー・マルチリンガルな空間を提供し、留学を目指す学生、留学後の学生、語学力を向上させたい学生のための自習施設も充実させる。正課外を含めたキャンパスライフのすべてを通し、国際人としての資質を養える環境が整っていると言えよう。

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