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専門家が語る「ロシア軍の原発攻撃」の無謀さ 原発は武力攻撃に耐えきれず、安全対策も無力

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ロシア軍の攻撃を受けたザポリージャ原発の周辺(写真:Anadolu Agency/Getty Images)
ロシア軍は、ウクライナの原子力発電所を武力攻撃し、施設を占拠した。戦時下で原発が標的となったのは歴史上初めてのことで、世界に衝撃が走っている。
原子力安全・テロ対策に詳しい専門家の佐藤暁氏に、今回の事態の重大性と行き着く先について聞いた。


――ロシアによるウクライナ侵略では、軍隊による原子力施設への攻撃・占拠が相次いでいます。

そこまでやるのかと衝撃を受けた。同時に何が目的なのかと考えてみた。原子力発電所を占拠することにより、これを盾にしようとしているのではないか。

つまり、占拠したうえで原発の周辺をミサイル基地化することにより、戦争がエスカレートした場合でも、NATO(北大西洋条約機構)軍が攻撃できないように盾にしようという思惑があるのではないか。チェルノブイリ原発周辺を軍事基地化すれば、NATO軍が攻め込んできたとしてもそこを攻撃できない。

チェルノブイリ原発の4基はすでに廃炉になっているが、使用済み核燃料プールには多数の使用済み核燃料が保管されている。また、爆発を起こして大破した4号機は「石棺」で覆われているが、ここが攻撃を受けたら大規模な放射能汚染につながりかねない。それを恐れて攻撃できなくさせるという狙いがあるのではないか。

ザポリージャ原発への影響

――稼働中のザポリージャ原発もロシア軍の攻撃を受けて、占拠されました。

原発を攻撃すること自体、やってはならないことだ。国際条約でも禁止されている。

他方、(6基ある原発のうち)4号機の運転が継続されていることから見て、ロシア軍は見境なく攻撃したわけでなく、一定の冷静さはあったとみることができる。全基を停めて発電できなくしたのでは、所内での電源の融通ができなくなってかえって危険だからだ。

ただし、万が一、攻撃がエスカレートしていたら、発電中の原子炉が真っ先に事故を起こし、とんでもない事態になっていた可能性がある。

――ウクライナのクレバ外相は、原子炉が攻撃されて最悪の事態になった場合には、「被害は(1986年に起きた)チェルノブイリ原発事故の10倍にもなる」とし、ゼレンスキー大統領は「ヨーロッパが破滅する」とまで警告しました。

確率はともかくとして、まったくありえないことではない。

――最悪の場合、どういうことが考えられますか?

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