次世代の、ものづくりを磨く場所
ドイツ発インダストリー4.0の衝撃
NRWジャパン
地域文化に根付いた
ものを"つくりこむ"精神
この日は日本人のゲストスピーカーも3人、登壇した。その一人、イグス代表取締役社長の北川邦彦氏は、同社が射出成型技術で顧客の求めるものを受託製造していることを説明した後、NRW州の特徴についてこう語った。
「ドイツにはものをつくりこむ文化があります。マイスター精神があり、誇りを持ってものづくりをしています。特にケルンにはまじめな人間を育む土壌、地域性があります。たとえば、自分の担当以外の仕事も意識し、仲間をサポートする姿をよく見かけます」。
また、1996年からドイツに拠点を置いている川崎重工の現地法人である欧州Kawasaki Robotics 社長の高木登氏は、同社の技術や製品の優位性について説明した後、今後の方向性について次のように語った。
「ものづくりの現場では、ロボット、人間のそれぞれに強みがあります。ですから、人間と協調して働けるロボット、人間と共存できるロボットの可能性を探っています」。
ロボット技術はインダストリー4.0を実現するための一つのキーテクノロジーと考えられており、高木氏のこの発言は多くの示唆に富んでいる。一方、テュフ ラインランド ジャパン、産業サービス部の杉田吉広部長代理は、第三者検査機関の立場からインダストリー4.0における規格の重要性を説いた。
岐路に立たされている先進国のものづくりに新しい展望を切り開くため、ドイツに、そしてNRW州に、視線を向けるべき時がきている。