「保育園の現地調査」義務なくす規制緩和は問題だ 不適切な保育による事故がなくならない中で…

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つむぎ / PIXTA

わが子を預ける保育所に、親が求める最重要ポイントは「安全性」といっても過言ではないだろう。そしてその安全性を担保するため、行政が年に1回以上保育所に足を運んで指導監査をすることが、児童福祉法施行令で義務付けられている。

しかし、この政令を改正し、書面のみの監査でも可とする案が浮上している。コロナ対応などでいったん延期されたが、この夏には再検討が始まる。不適切な保育による事故が不幸にもなくならない中で、このような改正がなぜ行われようとしているのか。

「現場チェック」の意味

行政による「指導監査」とは、保育施設等が基準を満たす運営を行っているかどうか、つまり以下の項目を書類や実地の立ち入り調査で確認することをいう。

・職員の配置
・施設設備
・安全・衛生面の管理
・子どもの健康管理
・保育内容
 など

現在、指導監査を書面でも可とする規制緩和が検討されているのは認可保育所や小規模保育等についてだが、これが通れば、認定こども園や認可外保育施設に広げることが予定されている。

この改正について、市民の意見公募(パブリックコメントの募集)が今年1月に行われた。集まったパブリックコメントは約280件。厚生労働省はうち10件を抜粋しHPで公表しているが、規制緩和を歓迎する声は1件もない。

「現地に行くことで判ることはたくさんあります」

「検査員とのやり取りの中では気づきや学びもあるので、負担やお手数はおかけするが歓迎するので来てください」

など、全て実地監査継続を求める声だった。その後厚生労働省は、新型コロナの感染急拡大への対応や「こども家庭庁」創設に向けた作業で人手が足りないことを理由に今年4月に予定していた改正を今年の夏以降に延期した。しかし、改正案が取り下げられたわけではなく、再び俎上に上ってくる可能性は高い。

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