キャリアに向き合う人たちの生の声
まずは “ヘッドハンター” について聞いてみた。
集まっていただいたのは、32歳から45歳までの5人。それぞれの業種の第一線で活躍されている方々だ。バリバリのビジネスパーソンという印象を受けるし、非常にしっかりした考えを持っているように見受けられた。しかし、自分の未来については迷いや不安があるようだ。
― 皆さんはヘッドハンターと聞いてどのようなイメージを浮かべますか?
C:ヘッドハンターというと会社のホームページで社員紹介をみてアクセスしてくる人。対象者を一本釣りする人というイメージがあります。また本を出版したりメディアに露出しているのを見かける機会も多いので、普通の人には敷居が高くなかなか接点がない印象です。
E:もちろん全てがそういう訳ではないと思いますが、以前、会社の電話へむやみやたらに電話をかけられた経験があり、彼らに不信感があるのも事実です。不特定多数を対象にしているような、いい加減な人たちも・・・。
A:私は、採用側としてヘッドハンターと付き合ったことがあります。その時はすぐにこちらの求めている人材を出してくれて好印象でした。しかし一方で自分が相談する側となると、どういう人物か深くは分からない。正直ピンとこないのが本音です。
― BさんとDさんは実際にヘッドハンターとのお付き合いがあるそうですが、印象はいかがですか?
B:サークルの先輩がヘッドハンターなのですが、彼の話を聞いているうちにイメージが変わりました。以前は皆さんと同様、私も「一本釣りする人」と思っていたのですが、最近は一人ひとりのキャリアを考え、企業と候補者をつなぐコンサルタントというように解釈しています。
D:私は初めて転職するときにヘッドハンターを利用して、とてもよく面倒をみてくれたのでその後も彼らを重宝しています。転職が成功した後も半年に一度くらいの頻度で定期的にキャリアについての話をしており、いまの職場で前職の経験が活きているか、現在悩んでいることはないかなど、親身になってフォローしていただいています。
全員:ほう。
A:Dさん、会社が決まったらご縁は終わる。そんなイメージをヘッドハンターには抱いていたのですが、実際は異なるということかな?
D:いいヘッドハンターは先のキャリアについても考えてくれます。もちろん全てがそういう方という訳ではありませんが。
A:それは意外でした。
ひとえに「ヘッドハンター」と言ってもその内実は玉石混交。残念だが、旧来の強引で大雑把なイメージが残っているのは事実。他方、求職者のことを客観的に見てくれるパートナーが増えているのも事実。そして話は、個々のキャリアについて広がっていく。