建築主に選ばれる、進化するシステム建築 一般工法に比べ、低コスト・短工期・高品質

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各地の会員会社・協力会社と連携してサービスを提供

日鉄物産システム建築の販売体制について注目したいのは、生井社長が語るように、同社自身は元請けは行わないことだ。

「当社は、建築主様と直接お取引するのではなく、会員である建設会社のもとで、システム建築を使った建屋の建設を担当します。建築主様がこれまでお付き合いのある会社にお声がけいただいて当社商品を織り込んでいただくことも可能ですし、必要があれば当社から建築主様の地元の会員会社を紹介させていただくことも可能です」

そこで頼りになるのが、「日鉄物産システム建築会」と呼ばれる販売ネットワークだ。同社の商品メリットを理解している全国の建設会社や設計事務所など約1500社で構成されている。つまり、日鉄物産システム建築は会員である建築会社とのコラボレーションにより、建築主のメリットを生み出していくビジネススキームを構築しているわけだ。

もちろん、会員会社へのサポートも入念に行っている。「営業拠点は東京本社のほか、北海道から九州まで国内各地10カ所に支店・営業所を置いています。6割以上が建築に関する資格保持者である経験豊富な営業担当が、地区ごとに会員会社との連携を通じて、対話型の対応を、地域密着で行っています。また、会員会社とは日頃の連携に加え、春に全国12カ所で開催する会員総会や秋の個別での研修会を通じて、新商品情報の共有や刻々と変化するニーズの吸収をし、その成果を次の商品開発に生かしています」と生井社長は紹介する。

さらに特筆すべきは、部材製造や施工に関して協力会社と密に連携して行っていることだ。「東京本社と全国の支店に施工管理を担当する社員を配置して、全国各地で品質と工程が管理できる体制を整えています。また、鉄骨加工や部材製作、現場施工については、全国およそ130社の協力会社体制を持っており、品質管理・施工技術管理・安全管理に協力会社と一体となって取り組んでいます」。このため、日鉄物産システム建築の商品なら、全国各地において迅速で安定した対応が可能になるわけだ。

もちろん、日本製鉄グループとの連携もアドバンテージになるだろう。「高品質な鋼材を安定的に調達することで品質の均一性・信頼性を確保し、またグループ内で開発された新商品を積極的に取り込むことにより、システム建築商品としての当社の特長づけ、差別化につなげています」と生井社長は語る。

独自の技術とノウハウで最適なソリューションを提供

日鉄物産システム建築が誕生したのが07年のこと。「17年の新会社創立10周年を機に、次の10年のさらなる成長を見据えて『NEXT10』プランを策定しました。そこでは、『技術先進性を常に追い求め、システム建築の分野において、お客様に最も期待され信頼されるNo.1ブランドの会社になる』をビジョンとして掲げています」と生井社長は語る。

同社は過去4500棟、毎年200棟を超える実績を誇り、半世紀に近い歴史の中で積み上げた独自の技術とノウハウを持つ専業メーカーとして、確固たる地位を築いている。「豊富な実績データに基づいて、建築主様のご要望に沿った精度の高い提案を行えることには大いに自信を持っています」。その結果、継続的に同社のシステム建築を採用するリピーターも全国各地に広がっている。中には、毎年の発注で今まで11棟の倉庫を建てた物流会社もあるというから、同社への評価の高さもうかがえる。

「新規の建物だけでなく、これからは、更新期に入っている建物の建て替え需要も出てくると考えています。当社の行動方針は、『すべてはお客様の安心感と満足感のために』仕事をしていくことであり、そのためには一つひとつ丁寧かつ誠実な対応を続けていくことが大切だと考えています」。そう語る生井社長だが、自社の成長のみならず、建築主や建設業界の将来も見据えている。

「さまざまなメリットのあるシステム建築ですが、工場・倉庫建築分野でのマーケットシェアはまだ15%程度と考えています。『環境にやさしい』『働く人にやさしい』といったコンセプトを持ち、省力化を目指した建物を低コスト・短工期で実現するシステム建築がもっと活用されていってもいいと考えています。建設業界の課題を解決しながら、今後とも、『建築主様にとって最適なソリューションとは何か』を追求し続けることによって事業を成長させていきたいと考えています」と生井社長は力を込める。