ヘッドハンターがキャリア形成に
伴走してくれる時代
もう始まっている、“かかりつけ”ヘッドハンター
佐藤 みなさまのお付き合いされている方の中で、そのような形でヘッドハンターを活用されている方。またキャリアアップの事例などあれば教えて下さい。
重國 まだ「かかりつけヘッドハンター」としてお使い頂いている方は全体としては少なく、転職するタイミングで駆け込まれる方が圧倒的に多いのが実情です。ただ一方ではアンテナの高い方もいらっしゃって、そのような方々は現在の市況がどのような状況か、今の自身のキャリアが世間的に見てどのような評価にあたるかを自ら進んで質問にいらっしゃいます。付き合いとしては長い方だと5年近くの長さ、中長期的に伴走していくようなお付き合いをされる方が増えてきています。
丸山 現在43歳でおよそ15年近くのお付き合いになる候補者がいます。15年前、彼は28歳で大手コンサルファームでコンサルタントをされていました。その後、事業会社で働きたいということでアーリーステージのベンチャーへ転職。しばらくしてその会社の上場予定が無くなったので、次は大手の上場目前の会社へ経営企画担当として入られました。ご自身で上場の準備に携わった後は人事的な仕事をしたいということで、人事のパッケージソフトを作っている会社のコンサルタントとして現在は活躍しています。15年に渡ってお付き合いして、3度の転職をお手伝いしていることになります。
福留 少し変わった例ですがお付き合いして10年、いま30代後半にして再生企業で社長になられた方がいます。いわゆる旧帝大を出て基幹系大企業に就職したところ、肌が合わず早々に退職。その後はアーリーステージのITベンチャーを経て、自身で起業などもチャレンジしましたが、なかなか軌道に乗りませんでした。出会ったのはちょうどその頃、世間一般にみて「決まりにくい」キャリア真っ只中のときです。私が将来どうなりたいのかを本人に尋ねると、迷うことなく「社長になりたい」と一言。そこで自分で会社を作るのと雇われ社長のどちらかを突き詰めて聞いてみると、彼が本当に望んでいるのは実は後者であることが分かりました。この方の場合、英語力と基礎的な経営管理の計数管理能力を学ぶ目的でMBA留学をご提案しました。その後はMBA留学のお手伝いに始まり、帰国後、日系の某再生ファンドへの転職をサポート。転職先で徐々に頭角を現し、3~4年で出資先の経営者に請われて転身。
このように優れたポテンシャルを有しながらも、キャリアメイキングに苦戦している方々に対しても、その方の持つ強みを引き出し、描かれているキャリアイメージに対して、ステップを追ってフォローする。かかりつけのヘッドハンターで長期的な関係性を築けているからこそ実現できた例です。(了)
ヘッドハンターの実体験。彼らの見た求職者の姿は?
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