「アドバンスクリエイト」新時代のOMO戦略 インシュアテックのフロントランナーが挑む

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保険業界の未来を見据えたプラットフォームシステム開発

さらにアドバンスクリエイトのOMO戦略を支えているのが、システム開発部門である。社内に約90名のエンジニアを抱え、自社でシステム開発を行っている。その強みは、圧倒的なスピードで顧客のニーズをシステムに反映できるところにある。

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インシュアテック推進室 IT開発課長
畔地 真一

インシュアテック推進室IT開発課長の畔地 真一氏は、営業担当者としてキャリアを積み、コンサルティングプラザの支店長を務めてきた。その経験を生かして現場の声を開発エンジニアにスムーズに橋渡しし、システム開発の推進役を担う。「毎朝、販売部門と一緒にミーティングを行い、変動の激しい業界の動向を迅速に開発に反映させています」。特筆すべきは、この毎朝のミーティングに社長の濱田氏も参加することだ。長期的なビジョンと企業トップの熱い思いが開発に直接届くことが、時代を先取りしたシステム開発を可能にしている。

「われわれが目指すのは、保険業界のプラットフォーマーです」と櫛引氏が語るように、同社は先進システムの開発の先に自社の成長だけでなく、保険業界全体の価値拡大をも見据えている。それを象徴するのが、保険に関するあらゆるデータを顧客と保険会社、保険代理店と連携する共通プラットフォームシステム「Advance Create Cloud Platform(ACP)」だ。

ACPは、顧客管理システム「御用聞き」と、保険のペーパーレス申し込み手続きなどの事務処理を一括化する顧客情報一括登録システム「丁稚(DECHI)」を主要機能としつつ、保険証券管理アプリ「folder」などほかのシステムとも連動する。同社は各システムの外販を通じ、DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組む同業他社を支援する。「『御用聞き』の導入によってお客様情報が組織知化され、担当者でなくとも対応できるようになった」「『丁稚』によって担当者の業務負荷と、お客様におかけする手間を同時に削減できた」など保険代理店からの喜びの声は絶えない。

こうした強みに支えられ、業績も堅調に推移している。3月16日に業績の上方修正を公表し、21年9月期の通期業績予想は売上高120億円、経常利益17億円といずれも過去最高を見込む。ROEは前期まで11期連続で10%を超え、長期にわたり高収益を維持し続けている。株主還元にも積極的で業績の上方修正と同時に増配も発表。配当性向は50%以上をキープしている。

一歩も二歩も先んじる革新の一方で、同社が決して変えないものがある。「社員一人ひとりの誠実な姿勢、礼儀を重んじる企業文化は100年先にも継承していきます」と櫛引氏。先進テクノロジーの追求と、愚直なまでに顧客を大切にする真摯な姿勢。そうした究極のOMOを実践するところにこそ、アドバンスクリエイトの真の強さがある。

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