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「アドバンスクリエイト」新時代のOMO戦略 インシュアテックのフロントランナーが挑む

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  • アドバンスクリエイト 制作:東洋経済ブランドスタジオ
保険選びサイト「保険市場」を運営するアドバンスクリエイト(東証一部上場 証券コード:8798)は、1995年の設立以来、保険業界の常識を覆すビジネス手法を打ち出し、「イノベーター」と称されてきた。ITの活用に関しても圧倒的な実績を有する同社が現在力を注ぐOMO戦略とその実践をひもとき、同社が牽引する保険業界の未来を展望する。

時代のニーズを先取りしコロナ前にオンライン保険相談を始動

アドバンスクリエイト
専務取締役
業務開発本部長 兼 営業企画室長
櫛引 健

「2030年、保険販売の現場では、対面とオンラインによる非対面の垣根は完全になくなっているでしょう。テクノロジーは5Gのさらに次、6G時代になり、スマホに代わる新しいデバイスも登場している。例えばお客様とのインターフェースはホログラムとなり、お客様にとって最適な時、場所で保険相談ができるようになっているかもしれません。私たちはそうした新しいテクノロジーを活用したシステムを開発し、次代のOMOを推進しているはずです」。そんな驚くべき未来予想図を語るのは、アドバンスクリエイトの専務取締役の櫛引 健氏。「これは、当社社長の濱田が思い描く未来です。当社では、濱田の頭の中にある未来図を映像化し、社員が長期的な視点に立って仕事に取り組めるようにしています」。国内最大級の保険選びサイト「保険市場」を運営する同社は、代表取締役社長の濱田 佳治氏の戦略に基づき、これまでも既存の保険ビジネスの常識を覆す先進的なビジネスモデルを次々と打ち出し、保険業界に革新をもたらしてきた。

店舗や商品・サービス、広告など顧客とのあらゆる接点がインターネットでつながる時代にあって、この数年、オンラインとオフラインを融合させる「OMO(Online Merges with Offline)」への関心が急速に高まる中、同社は現在、驚異的なスピードでOMO戦略を推進している。その牽引役を担っているのが、同社が独自に開発したビデオ通話システム「Dynamic OMO」だ。

目を見張るのが、保険相談に特化したさまざまな機能だ。スマホの小さい画面でも保険資料を見やすく表示したり、複数の資料を同時に立ち上げる機能、お客様がズームアップしている箇所を可視化する機能など、ほかにはない数々の機能には、オンライン面談の体験者の声が生かされている。

スマホでもスムーズにオンライン面談できるよう工夫された「Dynamic OMO」。「folder」アプリとの連携により、一層きめ細やかなサービスを実現

その誕生の裏にも、社長である濱田氏の先見の明があったという。「5G時代の到来をにらみ、濱田の指示でオンライン面談を開始した矢先に見舞われたのが、コロナ禍でした」と、櫛引氏は振り返る。同社は20年初頭からオンライン面談に向けての準備をスタートし、同年3月から市販のビデオ通話システムを使ってオンライン面談を開始。同年4月の緊急事態宣言によって期せずしてオンライン面談のニーズが急増したこともあり、3万件超にも及ぶ面談経験を積み、その知見を反映してわずか半年で自社開発のビデオ通話システムを完成させた。

アドバンスクリエイト
オフラインマーケティング推進部
部長代行
山口 彩

「Dynamic OMO」は20年10月から自社内での運用を開始し、目覚ましい成果を上げている。オンライン面談の最大の利点は、時間と場所の制約を越えられることにある。「どこにお住まいでも、またお時間の空いたときにいつでも相談していただけるため、お客様の利便性が格段に向上しました。横浜にお住まいのお客様に名古屋支店の社員がオンライン面談し、面談後に横浜支店の社員が書類をお渡しに伺うといった連携も日常的に行われています」とオフラインマーケティング推進部 部長代行の山口 彩氏は言う。加えて、同じく自社開発した保険証券管理アプリ「folder」を利用することにより、オンライン面談におけるサービスクオリティーの向上を実現している。スマホのカメラで保険証券を撮影すれば、すぐに画面共有できる機能により「手持ちの証券を見ながら詳しく診断してもらえた」と喜ぶ顧客も多いという。

保険の書類を一括管理できるアプリ「folder」

相談数の増加によって、契約数も急増している。しかしITだけがこの成果をもたらしたと考えるのは早計だ。「オンラインでの面談後、お客様が改めて支店にお越しになったり、こちらが訪問するなどオフラインの対応につながることも少なくありません。いずれにしても基本姿勢は同じ。ビデオ通話の後、手書きでお礼状を出すなど、温かみを感じていただける対応を心がけています」と山口氏。オンラインとオフラインの垣根を越えたサービスこそ、同社のOMOの真骨頂だ。

業界の常識を覆す「顧客視点」で先行するOMO戦略

子供を気にせずじっくりと相談できるキッズスペースを備えた、あべのハルカスコンサルティングプラザ

オンラインとオフラインの垣根を越えて顧客の購買意欲を創出するOMOの肝は、「顧客視点」にある。「その点で当社には、20年も前からOMOをコンセプトに事業を行ってきたアドバンテージがあります」と語る櫛引氏。いまだに訪問型販売が主流の業界にあって、同社は90年代にポスティングによる通信販売を推進した。「保険を『売りに行く』のではなく、お客様に『買いに来ていただく』という『お客様視点』のビジネスを貫いてきました」と明かす。

ポスティングから資料請求に至る確率は約0.1%。だがこの0.1%は極めて有望な見込み客だ。同社は04年以降、通信販売と並行して保険ショップを開設し、対面販売も実施。保険を必要とするお客様に確実にアプローチすることで、成約率を爆発的に向上させた。顧客視点で非対面と対面を連携させる手法は、OMOそのものだ。「Webサイト『保険市場』を軸にインターネット通販を本格稼働して以降も、コンセプトは変わりません。『OMO』という言葉が登場したとき、『ようやく濱田の戦略に世界が追いついてきた』という手応えを感じました」と櫛引氏は語る。

高級感あふれる内装で迎える相談スペース(あべのハルカスコンサルティングプラザ)

世界では先進技術によって既存の保険業務を変革するインシュアテックが大きな潮流になりつつあるが、にわかにITを導入しても収益化するのは容易ではないと櫛引氏は言う。同社は早い段階から顧客管理システムを構築し、データやネットを活用したマーケティングを積極的に行ってきた。「ITを活用して収益を上げるモデルを確立しているからOMOを推進できる」と自信を見せる。

シックな雰囲気のブースでプライバシーも保てる(あべのハルカスコンサルティングプラザ)

もう一つ同社の強みは、マーケティングから販売、システム開発までが連携し、全社で顧客に適したサービスを提供する仕組みを構築していることだ。自社開発の顧客管理システム「御用聞き」を核に情報を全社で共有することで、販売員の力量に左右される従来の保険販売のデメリットを克服。事業の川上から川下までのシームレスな連携が、同社のOMO推進の要となっている。

マーケティングと営業が直結。圧倒的なスピードが強み

アドバンスクリエイト
理事
OMO営業本部副本部長 兼 市場調査部長
鳥居 俊文

「事業の川上では、お客様に起点を置いたインバウンドマーケティングに特化。Webマーケティングの手法も自社開発しています。これまでに蓄積してきた400万人を超えるお客様のデータを活用し、お客様の行動を先回りして広告配信を最適化するデータドリブンマーケティングに取り組んでいます」。同社のマーケティング戦略を語るのは、理事でOMO営業本部副本部長の鳥居 俊文氏だ。そのインターフェースとして新たに活用しているのが、保険証券管理アプリ「folder」。保険証券の管理や分析機能のほか、アプリを通じてオンライン面談予約も行える。「『思い立ったが吉日』と言いますが、お客様が保険を必要とされたとき、目の前にいる。そんな存在になりたい」と語る。

アドバンスクリエイト
取締役 OMO営業本部副本部長 兼
オフラインマーケティング推進部長
橋本 孔治

さらに「顧客動向をスピーディーに営業につなげる。それが他社にはまねできない当社の強みです」と、取締役の橋本 孔治氏。マーケティング部門はコールセンターに直結。取得した情報を基に資料送付やアポイントの案内を行うなど、最短で顧客へのアプローチに生かす体制を整えている。

保険業界の未来を見据えたプラットフォームシステム開発

さらにアドバンスクリエイトのOMO戦略を支えているのが、システム開発部門である。社内に約90名のエンジニアを抱え、自社でシステム開発を行っている。その強みは、圧倒的なスピードで顧客のニーズをシステムに反映できるところにある。

アドバンスクリエイト
インシュアテック推進室 IT開発課長
畔地 真一

インシュアテック推進室IT開発課長の畔地 真一氏は、営業担当者としてキャリアを積み、コンサルティングプラザの支店長を務めてきた。その経験を生かして現場の声を開発エンジニアにスムーズに橋渡しし、システム開発の推進役を担う。「毎朝、販売部門と一緒にミーティングを行い、変動の激しい業界の動向を迅速に開発に反映させています」。特筆すべきは、この毎朝のミーティングに社長の濱田氏も参加することだ。長期的なビジョンと企業トップの熱い思いが開発に直接届くことが、時代を先取りしたシステム開発を可能にしている。

「われわれが目指すのは、保険業界のプラットフォーマーです」と櫛引氏が語るように、同社は先進システムの開発の先に自社の成長だけでなく、保険業界全体の価値拡大をも見据えている。それを象徴するのが、保険に関するあらゆるデータを顧客と保険会社、保険代理店と連携する共通プラットフォームシステム「Advance Create Cloud Platform(ACP)」だ。

ACPは、顧客管理システム「御用聞き」と、保険のペーパーレス申し込み手続きなどの事務処理を一括化する顧客情報一括登録システム「丁稚(DECHI)」を主要機能としつつ、保険証券管理アプリ「folder」などほかのシステムとも連動する。同社は各システムの外販を通じ、DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組む同業他社を支援する。「『御用聞き』の導入によってお客様情報が組織知化され、担当者でなくとも対応できるようになった」「『丁稚』によって担当者の業務負荷と、お客様におかけする手間を同時に削減できた」など保険代理店からの喜びの声は絶えない。

こうした強みに支えられ、業績も堅調に推移している。3月16日に業績の上方修正を公表し、21年9月期の通期業績予想は売上高120億円、経常利益17億円といずれも過去最高を見込む。ROEは前期まで11期連続で10%を超え、長期にわたり高収益を維持し続けている。株主還元にも積極的で業績の上方修正と同時に増配も発表。配当性向は50%以上をキープしている。

一歩も二歩も先んじる革新の一方で、同社が決して変えないものがある。「社員一人ひとりの誠実な姿勢、礼儀を重んじる企業文化は100年先にも継承していきます」と櫛引氏。先進テクノロジーの追求と、愚直なまでに顧客を大切にする真摯な姿勢。そうした究極のOMOを実践するところにこそ、アドバンスクリエイトの真の強さがある。