
代表取締役社長兼CEO 山岸 英樹 Hideki YAMAGISHI
1967年生まれ。光通信を経て、保険見直し本舗、NFCホールディングスなど保険代理店企業を中心にトップマネジメントを経験。
個人向けビジネスへシフトチェンジ
──保険代理店出身の方が生命保険会社のトップに就任するのは極めて珍しいケースだそうですね。
山岸 おそらくほとんど前例がないと思います。当社は今、法人向けから個人向けへビジネスをシフトしています。私は保険代理店時代、お客さまにより近い立場でビジネスを経験してきました。ですからお客さまが本質的に何を求めているかを実地体験で知っていますし、プロダクトアウトではなく、お客さまに軸足を置いて、これまでとは違う商品やサービスを提供していくことができると考えています。今回、私が当社のトップに就任したいちばんのポイントがここにあります。改革を強力に推進し、新しいFWD富士生命をつくるのが私の最大の使命です。
──これまで外部から御社のことをご覧になって、どのような印象をお持ちでしたか。
山岸 FWDグループの動向を見ていて、デジタル化という意味で大きな強みを持った会社だなと見ていました。今後、保険業界のデジタル化をリードする会社として代理店の立場からも期待していました。それに「人々が抱く“保険”に対する感じ方・考え方を刷新すること」というビジョンにも共感していました。保険はわかりにくいとか面倒だという、多くの人が抱くイメージを、何とかして打破しなければと思っていました。
──お話を伺うと、とても改革志向の強い方という印象を受けます。
山岸 そうですね、代理店時代もつねに改革をベースに経営をしてきました。いろいろな会社の経営をしてきましたが、安定経営を期待されたことは一度もありません。そもそも現状維持は衰退だというのが私の認識ですから、いかに改革していくか、新しいものを創造していくか、そこは追求し続けていこうと思います。
デジタル技術で業界をも変える
──社長に就任されてすぐ社員の方や代理店との対話を続けてこられたそうですね。
山岸 残念ながら新型コロナのため、社員とは対面ではなくオンラインでの対話が中心となってしまいました。やはり直接向き合わないと、お互い伝わりにくい部分があります。それでも「この会社をよりよくするために来た」ということはしっかり伝えましたし、社員が直接私にメールで意見を言ったり相談できる仕組みも作りましたので、社員の考え方も随分わかってきました。改善提案など建設的な意見もかなり来ています。一方、代理店の方々とも30社以上対話を続けています。今、多くの代理店が新型コロナのために、お客さまに直接お会いする機会が激減するという困難に直面しています。新規のお客さまにも会えないし、既契約のお客さまに対するリテンション活動も対面でないと難しい。何とかサポートしてほしいという相談も随分受けています。
──その解決策はありますか。
山岸 システマチックにリテンションする方法など、当社はノウハウを持っていますから、いろいろなサポートができます。それとやはりデジタル技術ですね。最終的には契約から給付まですべてデジタル化する方向で考えています。自動的に支払いに向けた手続きが進み、より簡単に迅速に給付金をお届けするといった、お客さま本位のデジタル戦略を全面に打ち出した保険会社を目指します。それに加えて商品ラインナップの充実です。代理店の方が「FWD富士生命のあの商品を売りたい」と思うような商品をどんどん投入していきたい。わかりやすくシンプルで、なおかつ保障の優位性を持つ商品で他社との差別化を図っていきます。今、保険商品は価格中心の競争が激化していますが、個人向けの保険商品は保障の内容を中心に勝負すべきです。
──個人向けのビジネスにシフトするということですが、とくにターゲットとされる層はありますか。
魅力的な新しい商品を投入しミレニアル世代にも支持されている
山岸 最近の新契約の大半をミレニアル世代が占めています。これほど若いお客さまが多くを占める保険会社はなかなかないと思います。いわゆるミレニアル世代が1つのターゲットです。若いうちから接点を持ち、年齢を重ねていく過程でライフスタイルや経済環境などが変わっていく。そうした変化に対応するストーリー性のある商品を作っていきたいと考えています。若い世代にリーチできるマーケティングや新しいチャネルも開発し、もっと裾野を広げていきたい。そのために、エンゲージの高い若い層のお客さまを数多く確保している異業種との連携も強化していきます。
──御社だけにとどまらず、保険業界自体を変革していきそうな勢いですね。
山岸 この業界でも、昔ながらの手法はお客さまのニーズに応じてどんどん変化していくでしょう。商品開発、マーケティングなどすべての面で、デジタル技術を駆使した新しい手法をどれだけ早く推進できるかが重要です。業界の常識は社会の非常識の可能性がある。お客さま起点で物事を考え、固定観念を捨てる勇気と変える力でどれだけ覆せるか。これは絶対必要です。私がなぜFWD富士生命に来たのか、これからの当社の挑戦で見ていただきたいと思います。