固定観念を覆す改革を強力に推進 ミレニアル世代にターゲットを定める

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デジタル技術で業界をも変える

──社長に就任されてすぐ社員の方や代理店との対話を続けてこられたそうですね。

山岸 残念ながら新型コロナのため、社員とは対面ではなくオンラインでの対話が中心となってしまいました。やはり直接向き合わないと、お互い伝わりにくい部分があります。それでも「この会社をよりよくするために来た」ということはしっかり伝えましたし、社員が直接私にメールで意見を言ったり相談できる仕組みも作りましたので、社員の考え方も随分わかってきました。改善提案など建設的な意見もかなり来ています。一方、代理店の方々とも30社以上対話を続けています。今、多くの代理店が新型コロナのために、お客さまに直接お会いする機会が激減するという困難に直面しています。新規のお客さまにも会えないし、既契約のお客さまに対するリテンション活動も対面でないと難しい。何とかサポートしてほしいという相談も随分受けています。

──その解決策はありますか。

山岸 システマチックにリテンションする方法など、当社はノウハウを持っていますから、いろいろなサポートができます。それとやはりデジタル技術ですね。最終的には契約から給付まですべてデジタル化する方向で考えています。自動的に支払いに向けた手続きが進み、より簡単に迅速に給付金をお届けするといった、お客さま本位のデジタル戦略を全面に打ち出した保険会社を目指します。それに加えて商品ラインナップの充実です。代理店の方が「FWD富士生命のあの商品を売りたい」と思うような商品をどんどん投入していきたい。わかりやすくシンプルで、なおかつ保障の優位性を持つ商品で他社との差別化を図っていきます。今、保険商品は価格中心の競争が激化していますが、個人向けの保険商品は保障の内容を中心に勝負すべきです。

──個人向けのビジネスにシフトするということですが、とくにターゲットとされる層はありますか。

FWD富士生命保険のパンフレット
魅力的な新しい商品を投入しミレニアル世代にも支持されている

山岸 最近の新契約の大半をミレニアル世代が占めています。これほど若いお客さまが多くを占める保険会社はなかなかないと思います。いわゆるミレニアル世代が1つのターゲットです。若いうちから接点を持ち、年齢を重ねていく過程でライフスタイルや経済環境などが変わっていく。そうした変化に対応するストーリー性のある商品を作っていきたいと考えています。若い世代にリーチできるマーケティングや新しいチャネルも開発し、もっと裾野を広げていきたい。そのために、エンゲージの高い若い層のお客さまを数多く確保している異業種との連携も強化していきます。

──御社だけにとどまらず、保険業界自体を変革していきそうな勢いですね。

山岸 この業界でも、昔ながらの手法はお客さまのニーズに応じてどんどん変化していくでしょう。商品開発、マーケティングなどすべての面で、デジタル技術を駆使した新しい手法をどれだけ早く推進できるかが重要です。業界の常識は社会の非常識の可能性がある。お客さま起点で物事を考え、固定観念を捨てる勇気と変える力でどれだけ覆せるか。これは絶対必要です。私がなぜFWD富士生命に来たのか、これからの当社の挑戦で見ていただきたいと思います。