「働き方」「企業経営」の常識を変えるBPO 「人6割、業務設計3割、デジタル1割」の法則

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働き手の属性にかかわらず柔軟な雇用を実現するBPO

パーソルテンプスタッフのBPO部門が専門部門としてスタートしたのは11年前だ。社員数9人での出発だったが、現在はパーソルテンプスタッフ全体の2割強を占める事業規模に成長した。なぜ多くの企業や自治体に頼られるBPOサービスへと成長できたのか。強みの1つは、もともと顧客先でオペレーション機能を作るオンサイト型を主力としてきた点だろう。

「お客様先で先方の社員の方々と緊密にコミュニケーションを取りながら進めていくので、お客様としても安心できるのでしょう。大手通信会社のケースもそうでした。当初は一部門のみでのご利用でしたが、オンサイトで顔が見えやすいことから評判が広がって、他部門からも業務を受託することになりました。現在は十数部署の業務に広がりました。受託の業務量が増えるとスタッフの1人当たりの生産性が高くなり、コストが下がるというメリットもあります」

高評価の理由はほかにもある。「人が6割、業務設計が3割、ITなどのツールが1割」という思想に基づいた業務品質の実現だ。これはITというツールを動かすにも人が大事で、次に効果的な業務設計も重要だという考えに基づく。そのためパーソルテンプスタッフが最も重視しているのは人材だ。

「BPOはお客様の人事規定や就業規則に制限されず、自分たちのルールで人材を活用できます。年齢や性別などの個人の属性は関係ない。実際、いま18歳から80歳までの方が活躍しています。また働き方も柔軟で、週に数日だけ、一日のうち数時間だけといった働き方も可能です。柔軟に働ける環境を整えて多様な人材を活用していくことで、お客様にも価値を提供できます」

背景には、「雇用の創造 人々の成長 社会貢献」という同社の経営理念がある。これまで活躍の場が限られていた人たちにも雇用の機会を提供して、社会貢献に努めている。その意味で、現在、東京都東村山市と兵庫県神戸市など全国4カ所に設置されているジョブシェアセンターの試みも興味深い。地域に雇用を創出したい自治体との共同経営で運営されている。

「仕事を居住区に近づける『職住近接』のコンセプトで始めたもので、『働きたいが都心まで通勤するのは大変』『フルタイムはできない』といった方のニーズに応えているため、働く方からは好評ですね。同じ地域の雇用創出でも、工場や大企業のオフィスを誘致すると、どうしても長い時間や莫大な予算が必要になります。一方、パーソルテンプスタッフのBPOなら、雇用の形態を柔軟にすることで、多くの雇用を生み出すことができます。自治体と連携した取り組み第一弾の東村山では同じビル内にハローワークがあり、求職中の方が希望の仕事を見つけるまでBPOのジョブシェアセンターの中で働くといった支援も可能です」

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