「Visa Business Pay」が秘める可能性

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企業間の商取引決済、すなわちB2B決済が大きく変わろうとしている。キーワードの一つが、クレジットカードなどのカード決済だ。これまで日本の法人市場ではなかなかカード決済が普及しなかった。その大きな理由が「カードが使えるサプライヤー(供給元、納品業者)がほとんどない」というものだった。その課題を解決する新たなサービスが登場し、注目を集めている。ビザ・ワールドワイド(Visa)が提供する「Visa Business Pay(ビザ ビジネスペイ)」。請求・支払業務をウェブ上で完結できる、B2B専用決済システムだ。請求書の発行や入金確認など、手間とコストがかかる業務を削減できるだけでなく、新規開拓など競争力強化につながる取り組みも可能になるという。その最新動向を取材した。

請求書の発行作業の手間やコストを大幅に削減する
「Visa Business Pay」

まったく新しいサービス「Visa Business Pay」を理解するためには、架空のケーススタディがわかりやすいかも知れない。主役は、東京に本社がある中堅の業務用酒販店A社としよう。

都内を中心に約1万社の取引先を持つA社にとって、毎月大きな手間がかかる業務といえば請求書の発行だ。請求書本書や控えを印刷し、封入して発送するために、専任のアルバイトを雇っていたほどだ。だが、最近になって、その光景は見られなくなった。「Visa Business Pay」というサービスが、その作業を不要にしたのだ。

「Visa Business Pay」は、この4月に誕生した、クレジットカードの決済機能を利用したB2B専用決済システム。画面上のボタンをクリックするだけで請求書の発行が簡単にでき、飲食店や小売店などA社の顧客にメールで送ることができる。もちろん、領収書の発行も可能だ。

しかも、「請求書発送代行」などのサービスと大きく異なるのは、入金データと請求データの照合などの確認も容易なことだ。顧客が「Visa Business Pay」で決済すると、自動的に完了メールが届くため、確認も容易。未決済状況もリアルタイムで把握できる。

「Visa Business Pay」はすべての請求・支払業務をウェブ上で完結できるため、特別なシステム導入は不要。初期費用、月額費用もかからない。案件ごとに決済手数料が発生するが、請求書の印刷代や郵便代、アルバイトの給与などが不要になることを考えれば、コスト削減効果が期待できる。

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