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五木寛之「最高のマイナス思考から出発しよう」 1人で孤独だが繋がる時代にどう生きていくか

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『大河の一滴』のなかで「なにも期待しないという覚悟で生きる」と説いている五木さん。今の時代をどう生きればいいかお聞きしました(撮影:岡本大輔)
自分たちの意思と関係ないところで、社会構造や人間関係が大きく変わると、どうしても悲観的な思いがつきまとう。しかしこれまで「どこか過剰に希望を持ちすぎてきたのでは」と、今再び注目を浴びている『大河の一滴』(幻冬舎文庫、1999年刊)の著者、五木寛之さんは言う。
マイナス思考がなぜ「今を生きる力」となりうるのか。「五木寛之『コロナ後は三散の時代がやってくる』」(2020年6月17日配信)に続く、インタビュー後編。

「アローン・アンド・トゥゲザー」の時代

――前編では、コロナ後の時代のキーワードとして、「3密」ならぬ「三散」についてお話しいただきました。日常生活から教育、産業、経済、政治まで、いろいろな水準で「分散」「拡散」「逃散」が加速するというお話でした。そういった時代に、人間関係はどのように変化するとお考えでしょうか。

テレビを見ていたら、再開したある学校のことを報道していたんです。そこで先生たちが議論していることがとても面白かった。隣の生徒が消しゴムを落とした場合、それを拾ってあげるべきかどうか。ウイルス感染のことを考えると、拾って手伝ってあげる優しさより、手伝わない優しさを大事にしようと。そういうことを議論しているんです。これは大変な時代になってきたと思いました。

亡くなった西部邁さんが心酔していたスペインの思想家、オルテガ・イ・ガセットの言葉に、「トゥゲザー・アンド・アローン」というものがあります。これは、人々の中に交じりながら、1人でいることを守るという考え方です。『論語』の「和して同ぜず」や、かつての学生運動のスローガンだった「連帯はすれども孤立を恐れず」も同じような意味です。

でも、このコロナ・パンデミックの中でそれが逆転して「アローン・アンド・トゥゲザー」になっていくように僕は思います。つまり、1人でいても一緒だという意識です。

仲間と一緒にお酒を飲んで肩を組んで騒ぎ、ボランティアで一緒に働く。しかし、夜明けに家に帰ったときに「結局俺は1人だなあ」と孤独をかみ締める。これがオルテガのいう「トゥゲザー・アンド・アローン」です。

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【離れていてもつながっている人間関係】

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