今こそ取り組みたい「科学的人事戦略」 個々の人材データを生かすツール選択がカギ

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導入事例

「経験と勘」を脱し、社内の共通認識を作る

クレディセゾンでは「女性活躍推進」「ダイバーシティー」という概念が普及する前から、女性が活躍できる環境作りを推進してきた。2017年9月には専門職社員やパートタイマーなど、それまでの社員区分を撤廃し、全社員を「正社員」とする画期的な人事制度を導入した。

クレディセゾン
取締役(兼)執行役員
プロセシング事業部長
(兼)戦略人事部 担当
安森 一惠

「誰もがチャレンジができる環境はできました。しかし、一人ひとりのスキルや能力の可視化や共有化が十分でなく、属人的でアナログなものにとどまっています」と執行役員の安森一惠氏は話す。

多くの社員に活躍してほしいと願うものの、活躍している人材の定義も部署や担当者でまちまちであるという。『人材』を『人財』へ変革させるためスキル可視化に取り組むべく、クレディセゾンでは社員の多様なデータを「タレントパレット」上に蓄積することから始めた。そのうえで、パフォーマンスの高い社員や今後活躍が期待される社員のコンピテンシーや業績など、複数のタイプに分析・分類をし、社員の育成観点での人事異動や最適な人材配置に活用していきたいという。

また従来の配置転換では人事や現場のベテランの社員が持つ「経験と勘」に頼る部分が大きかったが、「タレントパレット」を活用することでその裏付けとなるデータにより、適性を補完することができてきている。また、「タレントパレット」なら、時系列でデータを蓄積できるため、育児休業から復帰した社員へのキャリア支援にも活用していきたいという。

「当社の『タレントパレット』活用はまだまだ発展途上です。どのようなデータを収集すべきか、どのような角度から分析するべきか、プラスアルファ・コンサルティングにはこれからもアドバイスをお願いしたい」と安森氏は期待を語る。


確かな分析に基づき、経営陣が積極的に活用

LIFULLは、不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」などを展開している。社名には「あらゆるLIFEを、FULLに。」というメッセージが込められている。

テクノロジー企業ということもあり、同社は早くからHRテックの導入を積極的に進めてきた。社員のサーベイにより組織状態を可視化・数値化するツールなどもその1つだ。

LIFULL
執行役員/Chief People Officer
羽田 幸広

執行役員の羽田幸広氏は「ツールはあくまでもやりたいことを実現するための手段にすぎません。そのときにベストだと思うものを選択しています」。その羽田氏が「タレントパレット」を選んだ理由について、「社員がやる気を出し、生き生きと働いてもらうためには、さまざまなデータを網羅的に可視化できることが必要でした」と振り返る。

羽田氏が重視しているのが、データからうかがえる「ファクト(事実)」を読み取ることだ。例えば、エンゲージメントが高い部門がある場合、どのような特性があるのかを分析する。そして組織づくりや採用、昇進などに活用ができないかを検討し、PDCAサイクルを回していく。

社員のWell‐being(よりよい人生を送ること)についても、本人の1カ月ごとの推移を見ることで変化を捉え、アラートを発するといった取り組みも進めている。

同社では羽田氏など人事担当役員だけでなく、井上高志社長自ら、組織デザインなどの際に「タレントパレット」を活用しているという。

「タレントパレットは拡張性が高く、今後は新機能のサンクスポイントを使ったエンゲージメント向上も考えているところです」と羽田氏。タレントパレットは機能開発のスピードも魅力なようだ。


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