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大手スポーツメーカー〈デサント〉の調査によると、ランニングを1年以上「継続」できた人は23.6%で、6カ月以内に走るのをやめてしまった「燃え尽きランナー」が68.0%もいることが判明した。せっかく始めたランニング。燃え尽きないためにはどうしたらいいのか。今年3月に行われた名古屋ウィメンズマラソンを3時間42分で駆け抜けたモデル・女優の高山都さんと、『週1回のランニングでマラソンは完走できる!』の著者で、ランニングアドバイザーの真鍋未央さんが、そのヒントを教えてくれた。


高山都
女優、モデル。1982年生まれ、大阪府出身。出演作に映画「容疑者Xの献身」、ドラマ「ガリレオ」(フジテレビ)、「ROOKIES」(TBS)等。先日の名古屋ウィメンズマラソン2014では3時間42分で完走。プラチナムプロダクション所属。

距離は少しでもコンスタントに走る

真鍋 私は学生時代から陸上部だったので、その延長でいまも走り続けているんですけど、高山さんが走り始めたキッカケはなんですか?

高山 スポーツサイトの企画で、2011年2月の香川丸亀国際ハーフマラソンに出場することになったのがスタートです。それまでは運動嫌いで、絵にかいたような文科系女子。マラソンに対しても抵抗がありました。飽き性なので間を空けてしまうと続かないかなと思ったので、距離は少しでもいいのでコンスタントに走ることを心がけました。

真鍋 毎日続けようとするのは、凄くいい心がけなんですけど、スタート時にガーッとやりすぎて、2~3か月たって、燃え尽きてしまうランナーが多いんですよ。その頃は、どんな気持ちで走っていたんですか?

高山 最初は3~4kmほどしか走れなかったですし、格好も上下ジャージだったんです。それが少しずつ走れるようになると、ウエアも欲しくなってきて。オシャレなウエアを着るとモチベーションが上がります。あとは、せっかく走るんだから、カラダに良いモノをきちんと作って食べようという気持ちになりました。

真鍋 素晴らしいですね。ランの後は達成感で一杯になってしまう人が多いんですけど、その後のメンテナンスも大切です。高山さんは、生活のなかにランニングをうまく取り組めている凄くいいパターンだと思います。丸亀ハーフはどうだったんですか?

高山 2時間2分でした。2時間半くらいが目標だったんですが、沿道の声援を聞いていたら楽しくなっちゃって。その後の大阪マラソンも4時間11分で完走できました。ところが、半年後くらいに足底筋膜炎になったんです。当時はソールの薄いシューズを試していたこともあり、悪化させてしまいました。

真鍋 やっと悪い例が出ましたね。ソールが薄いシューズはクッション性がないので、脚への衝撃が大きいんです。それに耐えられるだけの筋力がないと、ケガの原因になってしまいます。

高山 そうなんですね。その後は回復するのに時間がかかりました。でも、走る距離が少なくなっても、継続していけば、また走れるようになると思っていたので続けることができました。


真鍋未央
学生時代、800m、1500m、3000mの陸上選手として活躍。高校卒業後、マラソンに転向。2013年1月、美を追求するランニングクラブチーム「miobiyori」を設立。セミナーやランニングイベントを定期的に開催。

自分のリズムで走るのがコツ

高山 今年3月の名古屋ウィメンズマラソンは、4時間を絶対に切りたかったので、3時間59分を目標にしていました。目標のラップタイムを手の甲に書いて臨んだんですが、スタートが前方だったので、周囲に速いランナーが多く、前半にタイムの貯金ができたんです。

真鍋 それは結構、危険なパターンですよ。

高山 37kmぐらいから脚が上がらなくなったんです。鉛のリュックを背負っている感じで。でも、食べたら元気になって。その結果、目標を大きく上回る3時間42分でゴールすることができました。

真鍋 大幅自己ベストとはおめでとうございます。ただ、今回は給食のタイミングが少し遅かったのかも。食べてもエネルギーになるまでに時間がかかります。口に入れたものは5km先でエネルギーになるイメージです。でも、高山さんの場合はすぐにエネルギーになったようなので、気持ちの部分が大きかったのかな。前半の貯金を貯めようとするのもどうかな。高山さんは粘れるタイプだと思うので、それほど落ち込むようなことはなかったようですが、メンタルが弱い人ではきっと耐えられなかったと思いますよ。

高山 みんなが応援してくれるので、恥ずかしくて歩けなかったんです。実は人があまりいないところで、少しだけ歩きました(笑)。

真鍋 走りながら、演じていますね。さすが女優さん(笑)。前半は元気もあるので速く走りがちですが、自分のリズムで走ることがマラソン攻略の鉄則です。


週1ランでもマラソンが完走できる

高山 実は名古屋ウィメンズマラソン前の練習で右中指の付け根を痛めてしまって、不安もあったんですよ。

真鍋 疲労がたまっているときは、脚は不安定になっているので、ちょっとした段差でつまずくなど、ケガをしやすいんです。無理をしてトレーニングするよりも、メリハリをつけた方がいいと思います。ケガなど代償の方が大きくなってしまいますから。高山さんは凄くポジティブなので、うまく乗り越えることができましたが、ランナーはどちらかというとネガティブな人が多いんですよ。そういう方はちょっとしたアクシデントで崩れてしまう。

高山 完璧主義の人もそうですよね。1回ダメになるともう立て直せない。最善は尽くすけど、ここでダメなら次の試合。マラソンも長いですけど、人生も長い。私はそういう風に考えています。

真鍋 私もあまり深く考えないというか、気分で持っていくタイプかな。カラダは短期間で変わるものではないので、ランニングは長く継続しないとあまり意味がありません。長く続けることで、フォームも自然と安定してきます。カラダが変わり始める3か月くらいで、何かにつまずいてやめてしまう人は本当にもったいない。

高山 ペースを落としてもいいので、絶対に続けたほうがいいですよね。

真鍋 記録を狙うのであれば計画的にトレーニングをする必要があると思いますが、フルマラソンの「完走」が目標なら、キッチリやると逆に続かない。まずは週に1回のランニングでいいんです。

高山 ランニングは自分と対話しているわけじゃないですか。勝つも負けるも自分次第。余白があってもいいルールを作っておけば、ストイックになりすぎないで、"いい加減"でできると思います。

真鍋 楽しくて始めたはずなのに、いつの間にか「やらなきゃいけない」という気持ちが大きくなってしまう人は多いんですよ。たとえば、雨が降ってきて、ラッキーと思っちゃう。その時点で、走ることが義務感になっているんです。

高山 燃え尽きないためには、「Must」ではなく「Maybe」という気持ちで走るくらいが大事ですよね。

真鍋 週に2~3回走りたいという気持ちがあっても、特に最初の3~4か月くらいは抑え目くらいの方が挫折しないと思います。

高山 そうですね。頑張りすぎると、ポキッと折れちゃう。ふにゃふにゃだと振れ幅は大きいかもしれませんが、折れないですからね。運動音痴の私でも、ふにゃふにゃと3年間続けたら、ここまで走れるようになりました。ランニングはとにかく楽しんだもの勝ち。頑張り過ぎないで、絶対に継続してほしいですね。

(撮影:今祥雄)