「夢の続き」を見るためのニュータウン再生 民産学官がスクラムを組んで取り組む

まちづくりにおいて、主役はあくまでも住民。「野七里テラス」でも、住民が主役となって運営している。今、「サチテラス」のコンビニ店長や従業員は地域に住む人たち。コミュニティスペースである「イマテラス」は、住民からボランティアを募集し、施設内外の美観整備やイベントの企画・運営を行っている。現在、ボランティアは40名ほど。ボランティアには謝礼として1時間100円相当の地域コインが配られ、サチテラスのコンビニのみで利用できるそうだ。

新しい移動手段はつながりを生むツールに

「野七里テラス」ができて、住民の生活はどう変わったのだろうか。

「私、以前はコンビニで買い物したことがなかったので、いろんな商品を試したくてほとんど毎日買い物に来ています。以前は近くにお茶をする場所もありませんでしたが、ここに来れば大抵どなたか知り合いがいるのでお話できて楽しい」

そう語る船野氏は上郷ネオポリス自治会まちづくり委員会の事務局次長を務め、毎週月曜日には移動販売車に同行して外に出られない住民の注文を聞き、買い物代行もしているという。

このように移動が難しい住民もいるので、昨年11月にはエリア内に7人乗りの電気カートを走らせるテストを実施。すると、乗客同士が歓談したり、歩いている人とあいさつを交わしたり、単なる移動手段にとどまらないコミュニケーションツールの役割を果たすこともわかった。「野七里テラス」の向かい側にはサテライト拠点「和(なごみ)テラス」が開設され、大和ハウス工業の社員が区民のさまざまな住まいや暮らしの相談窓口となっている。

「住民の方だけでまちづくりを進めるのは難しい。だから民産学官がスクラムを組む必要があるのです。今年の1月には横浜市とも協定を結びました。上郷ネオポリスのさらなる魅力を創出していきます」(瓜坂氏)

大和ハウス工業は1960年代から90年代にかけて全国61カ所でネオポリスを開発してきた。今、その多くが同じような課題を抱えている。そのため同社は誰もが安心して長く住み続けられるまちづくりに住民とともに取り組む「リブネスタウンプロジェクト」を立ち上げた。すでに上郷と同時に兵庫県三木市のネオポリスでもスタートしている。同社はこの2カ所での経験と実績をもとにまちづくりのモデルを構築し、全国で展開していく計画だ。

約50年前にマイホームを夢見て上郷ネオポリスの住民となった人たちは、この新しいまちづくりに、その夢の続きを見ている。

左から船野氏、大和ハウス工業 瓜坂氏、齋藤氏、大和ハウス工業 柘植氏、吉井氏
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大和ハウス工業