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さらなる注目を集めるインフラファンドの未来 上場7銘柄の資産運用会社の担当者たちに聞く

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  • ⽇本取引所グループ(JPX)/東京証券取引所 制作:東洋経済ブランドスタジオ
東京証券取引所のインフラファンド市場は、太陽光発電等の再生可能エネルギー施設をはじめとしたインフラ施設に投資する投資法人が上場する市場である。2016年6月に最初の銘柄が上場して以来、現在は7銘柄が上場しており、時価総額は1000億円程度の規模である。中長期的に比較的高い分配金を生み出すとの期待に加え、ESG投資の対象としても個人投資家が参加しやすいことから人気が高まりつつあるインフラファンドについて、各投資法人の強みは何か、これからどのような成長戦略を描いているのかなど、全運用会社の担当者たちに話を聞いた。

――まず、皆さんの強みから教えてください。

タカラアセットマネジメント
インフラファンド本部長
江間 隆一氏

江間 現在上場されているインフラファンドの中では最高水準の分配利回りを実現しており、年6~7%程度になります。国内上場第1号なので分配実績を長期で積み上げていることや、毎期増配である点が強みです。

新田 収益が安定していることがいちばんの特徴です。現在、保有している15の太陽光発電施設は、北海道から沖縄まで地域を分散させて災害や天候変動のリスク軽減に努め、安定した収益分配を実現しています。その安定性を背景に10カ年の業績予想を2017年3月に公表しています。


アールジェイ・インベストメント
投資運用部マネジャー
平井 豪紀氏

平井 私どものテーマは目下、ポートフォリオ規模の拡大と物件の地域分散で、現状46物件に投資しています。発電を特定の大型施設に頼らず、また日本全国に満遍なく太陽光発電施設を保有することで、自然災害や局所的な天候不順の影響を受けにくくしています。

青木 弊社の親会社であるカナディアン・ソーラーグループは、米ナスダック市場に株式を上場している太陽光発電関連ビジネスのグローバル企業で、発電モジュールの製造から発電施設の開発および管理・運営まで一気通貫で手がけています。24時間体制で世界中にある発電施設の状態を管理しているので、もし日本にある発電施設にトラブルが生じたとしても、即座に対応できるのが強みです。

東京インフラアセットマネジメント
経営企画室課長代理
鈴木 優太郎氏

鈴木 多様なスポンサーおよびサポート企業との協業体制が強みです。各企業は再生可能エネルギー発電施設に関して高い知見を持つ製造業者、保険会社、エンジニアリング会社、金融機関であり、技術やリスク管理、金融などのノウハウを集約することで高いシナジー効果が期待できます。

布袋田 メインスポンサーである伊藤忠エネクスは、さまざまなエネルギーを扱うエネルギー専門商社です。現在は太陽光発電施設のみに投資していますが、スポンサー企業のノウハウを生かして、将来的には風力や水力なども組み入れ、発電方法の分散によるリスク軽減、収益機会の拡大を目指します。

ジャパン・インフラファンド・アドバイザーズ
アクイジション部シニアマネジャー
福地 奈々恵氏

福地 私どものメインスポンサーは総合商社の丸紅で、再生可能エネルギー事業を積極的に推進しており、太陽光発電の事業実績に加え商社としてパネル販売などにも参入しています。そのほかのスポンサーであるみずほグループを含め、そのノウハウをファンドの長期安定的な運営に生かせるのが強みです。

――ESG投資への関心が高まっています。インフラファンドは再生可能エネルギー施設を投資対象としており、ESG投資には最適と思われますが、いかがですか。

江間 おっしゃるとおり、再生可能エネルギー施設を組み入れていますから、ESG投資になりえます。私募で非上場のインフラファンドもありますが、私たちは投資口が上場されていますから、透明性が高く、ガバナンスの観点からも望ましいと思います。

いちご投資顧問 グリーンインフラ本部
アセットマネジメント部担当部長
新田 貴生氏

新田 個人が再生可能エネルギー施設に投資するのは資力の面でハードルが高いですが、インフラファンドの投資口は小口化されていますので、個人でも手軽にESG投資が可能です。持続可能な社会を実現するうえでも、インフラファンドの数がもっと増えることに期待したいですね。

平井 グローバルなESG投資への関心は、まさに再生可能エネルギー発電事業の追い風になります。RE100という、事業を行うのに必要な電気を100%再生可能エネルギーで賄うことを目標にした企業連合があり、世界で221社、日本では30社が加盟しています。固定価格買取制度が終了した後は、こうした企業への売電も想定しています。

カナディアン・ソーラー・アセットマネジメント
財務企画部ファイナンス・マネジャー
青木 克典氏

青木 発電施設を造る地域との共生も重要なテーマです。ESGの「S」は社会(Social)のことですから、地域住民から反対が出るような施設を建てることは許されません。それだけに、地域住民とのコミュニケーションを密なものにするため、地域イベントには積極的に参加するようにしています。

鈴木 ESG投資におけるインフラファンドの魅力は、ESGへの取り組み内容や実績が明確であること、そして少額から投資できるということです。つまり、インフラファンドの場合、投資対象が再生可能エネルギー発電施設であり、また、運用実績が定期的に開示され、さらに10万円前後から投資可能なことから、ESG投資に適した金融商品だと思います。

エネクス・アセットマネジメント
インフラファンド運用部シニアマネジャー
布袋田 紀子氏

布袋田 インフラファンドへの投資は再生可能エネルギーへの投資そのものですし、二酸化炭素の排出量の削減につながるだけでなく、雇用の創出や土地の有効活用、税収の増加などを通じて、地方創生にも役立つと考えています。インフラファンドはそこに集まった資金のすべてがESG投資に回るという点で、一般企業のESG投資とは一線を画すものと考えます。

福地 日本の1次エネルギー自給率の向上や、二酸化炭素の排出量削減に貢献できるのが魅力でもありますね。具体的に申し上げると、当投資法人が取得予定の太陽光発電施設の想定年間発電量は、対火力発電比で年間約2万トンもの二酸化炭素排出量の削減効果が期待できます。

――日本は地震国であることに加え、最近は大型台風といった自然災害リスクが高まっています。発電施設が被害を被ったときの対応はどうしているのですか。

聞き手:フリーアナウンサー
内田 まさみ

江間 インフラファンドが組み入れている施設はすべて保険を掛けるのが前提です。損壊した施設の修理は財物・火災保険、施設を修復するまでの逸失利益については利益保険でカバーできますが、自然災害による被害を最小限に抑えるため、全国に発電施設を分散させています。

新田 投資している発電施設は、気候や地形にきめ細かく対応した個別設計によって、さまざまな自然災害に耐えられる堅固な造りになっています。16年12月に上場した後、幾度となく大型の自然災害に見舞われましたが、当投資法人が保有している施設には被害がありませんでした。

平井 確かに昨年秋の台風で、さまざまなところで被害が生じましたが、千葉県の君津市と香取市にある発電施設は無傷でした。被害が生じたときに保険でカバーするのはほかの投資法人と同じですが、やはり施設の綿密なデューデリジェンスが不可欠です。

青木 大前提として、物件を取得するに際しては自然災害に耐えうるものを選んでいます。そして万が一というときの備えとして保険があります。また被害が生じたときには、2次被害を生じさせないために適切な処置を行い、必要があれば地域住民や自治体と協議し、恒久的措置も講じます。

鈴木 大事なのは発電施設取得段階での見極め、取得後のメンテナンス、災害発生時の迅速な対応です。中でも災害発生時の迅速な対応が重要で、発電停止による逸失利益を最小限に抑えることを心がけています。万が一被害を受けた場合は、物損・逸失利益とも保険で補償されます。この点はサポート会社よりリスクに関する助言を得ています。

布袋田 同じような地域でも地盤が違うケースもありますので、施設を購入する際のデューデリジェンスはもちろん大事です。それとともに私どもが重視しているのは、自然災害に直面したとき、施設が受ける被害を最小限にするため、常日頃からしっかりメンテナンスをすることです。

福地 デューデリジェンスや保険加入はもちろんですが、発電施設がある地域に強みを持つ業者との提携により、施設に被害が生じたとき、素早く駆けつけて修理を実施する体制の構築に力を入れています。

――インフラファンドの拡大に向けて今後どのような取り組みを考えていますか。

江間 スポンサー企業と連携して、今後も新規発電施設の取得を継続的に行いながら、太陽光発電以外の発電施設への投資も検討しています。日本のインフラ設備などに民間資金を導入し、適切な維持・管理を行うことで、さらに多くの投資機会がインフラファンドを中心に生まれていけば、マーケットは発展・拡大すると思います。

新田 優良な資産を取得することによって、日本のインフラ整備に寄与していきたいと思います。風力など太陽光以外の発電施設への投資も検討課題ですし、投資した資産のメンテナンスをしっかり行うことで、固定価格買取制度の終了後も安定的な収益を生み出す優良な資産であり続けられるように努力する必要があります。

平井 現状、スポンサー企業の開発物件を中心にしてファンドに組み入れていますが、今後は流通市場で売りに出されている発電施設への投資も、より積極的に行っていく予定です。

青木 スポンサー企業は発電施設の開発について意欲旺盛です。私どもも流通市場から施設を買いますが、スポンサーが新規開発した施設への投資を軸にして、運用資産の拡大に努めてまいります。グローバルにみて日本は重要なマーケットなので、引き続き投資家から資金を呼び込み、マーケット全体の成長につなげていきたいですね。

鈴木 現状、「インフラファンド=太陽光」のイメージが強いので、今後は資産規模の拡大はもちろんですが、一方でバイオマスや風力、水力発電施設の取得による電源構成の多様化を進め、将来は海外発電施設への投資も検討していきます。これによって投資家の皆様に、よりよい投資機会を提供できればと考えています。

布袋田 上場していることで、借り入れだけでなく資本市場からも資金調達できますので、拡大のスピードを一段と上げられると思います。当投資法人もほかと同様、太陽光発電だけでなく、風力発電施設などの組み入れも検討しています。

福地 スポンサーなどのネットワークの活用により情報ルートを拡大して、確実に物件を取得するとともに、ポートフォリオの分散を進めながら早期に一定の資産規模の達成を目指しています。もちろん、太陽光以外の多様なインフラ資産への投資も進めていきたいですね。

――ありがとうございました。

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