多くの社員参加がボランティア継続のカギ

2019年度、東京都の社会貢献大賞発表

社員の資質・意欲向上にもつながる小学生向け安全教室
【企業部門/特別賞】ALSOK

大手警備会社のALSOKは2004年度から小学生を対象にした「ALSOKあんしん教室」を行っている。19年12月末時点での累計参加児童数は全国で約160万人。累計実施回数は5万回を超える。東京都内では延べ約1300校で約5800回実施し、約18万5000人の児童が参加している。この活動が評価されて今回、特別賞を受賞した。

ALSOK
広報部 広報第一課 課長
新屋盛久

「当社は創業以来、『ありがとうの心』と『武士の精神』という経営理念を掲げてきました。その理念に基づき、本業に即した活動であることが長く続けてこられた大きな要因です。また、社員が率先して参加していることも重要な点です。ガードマンは本来、黒子的存在ですが、教室で講師役を務めると、子どもたちはヒーローを見るような目で見てくれます。反応がダイレクトに返ってくることで社員のモチベーションも上がっています」。同社広報部・新屋盛久氏がそう説明する。

「ALSOKあんしん教室」は、低学年、中学年、高学年それぞれに応じた内容で開かれている。低学年の児童に対しては、登下校時に身を守ることがテーマ。中学年は留守番をするときの心構えや注意点、高学年は仮想の街の地図を題材に危険な場所や対策を考えるという具合だ。12年度からはAEDの意義や心肺蘇生の実施要領を教える高学年向けの授業も始め、19年からは社会のリスク変化に伴い、高学年向けのインターネット授業も開始した。

講師はすべて同社の社員が務めている。ガードマンが制服姿で現れると、子どもたちの視線が一斉に集まる。「守りのプロ」が教えるということを一目でわからせるとともに、子どもたちの集中度を高める効果も狙った演出だ。

「授業の質を担保しなければいけませんので、社員の講師育成を目的にした社内認定制度『ALSOKあんしん教室マスター制度』も設けています」(新屋さん)

もちろん同社としては今後も継続していく方針だ。今後の目標について新屋氏は「一人でも多くの子どもたちが、自分の身の安全を守る行動が取れるようにすること、道で倒れている人を見かけたとき行動できるようにすることが、この活動の目指すところです。子どもの意識と行動が変わっていくように働きかけることが私たちの役割。そのために活動と人材の質の向上を引き続き追求していきたいと思います」と語る。

持続可能な開発目標SDGsにおける17の目標の1つには「質の高い教育をみんなに」という一項が入れられている。その意味でこの活動はSDGsにも貢献するものといえそうである。

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