多くの社員参加がボランティア継続のカギ 2019年度、東京都の社会貢献大賞発表

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東京都は、互いに支え合う共助社会の実現に向け、継続的・先進的なボランティア活動を行っている企業や団体などを表彰する「東京都共助社会づくりを進めるための社会貢献大賞」を2016年度に創設した。迎えて4回目の19年度は3団体が大賞を、4団体が特別賞を受賞した。その中から今回は大賞を受賞した損害保険ジャパン日本興亜と特別賞を受賞したALSOKの担当者に、それぞれが行っているボランティア活動について語っていただいた。

多様なパートナーシップで社会問題解決に取り組む
【社会貢献大賞】損害保険ジャパン日本興亜

大賞を受賞した損害保険ジャパン日本興亜は、外部と多様なパートナーシップを結んで社会貢献活動を行っているのが1つの特徴だ。例えば子どもと保護者を対象に防災教育を行う「防災ジャパンダプロジェクト」では、NPOや人形劇団と協働して活動を展開している。同社CSR室長の越川志穂さんはその目的を次のように説明する。

SOMPOホールディングス
損害保険ジャパン日本興亜
CSR室長
越川志穂

「社会貢献活動は社会課題の解決に向けて取り組むのが基本ですが、企業だけでは解決できない課題もあるため、NPOやNGOなどの専門家の知見を生かしたパートナーシップが重要です。当社では防災ジャパンダプロジェクトだけではなく、各地域の皆様にその土地の自然環境への関心や、生物多様性への理解促進を目的とした市民参加型のプロジェクト『SAVE JAPANプロジェクト』を、地域の環境団体やNPO支援センターなどと協働して行っています」

防災人形劇と体験型防災ワークショップの2本立てで行っている防災ジャパンダプロジェクトは、2011年、東日本大震災のときに保険金支払い業務を行っていた社員による「保険という接点以外でも、お客様に安心・安全・健康を提供できないか」という声から始まった。16年のスタートから今日まで全国で5万人以上が参加。東京都では37回開催、約5800人が参加した。

また同社にはSOMPOグループの役職員で構成するボランティア組織の「SOMPOちきゅう倶楽部」もある。1993年に発足したこの組織はメンバー約6万5000人という巨大組織だ。森林保全活動、地域清掃、車いすメンテナンス・清掃などの活動には毎年3万人を超える役職員が参加しているという。

「役職員の有志が任意の金額を給与から寄付する、SOMPOちきゅう倶楽部社会貢献ファンドを設けており、同組織の活動や広域災害支援、メンバーが応援するNPO/NGOなどに寄付を行う仕組みです」(越川さん)

同社では、ISO14001のPDCAサイクルを活用した実効性のある仕組みの構築や、活動のKPI設定、プロジェクトを全国展開する際に動画のマニュアルを作製するなど、役職員に参加を促す工夫をしている。巨大な組織で長年活動を継続してこられた一因は、ここにあるようだ。

「今回の大賞受賞は、多様なパートナーシップを組んで社会課題解決に取り組んでいる当社の社会貢献活動全体が評価されたものと理解し、大変名誉に思っています」と喜ぶ越川さんは「損害保険会社の根本には『世のため人のために』という理念があります。これからも相互扶助の理念に基づき活動をさらに継続発展させていきたいと考えています」と語った。

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