「IT素人」コミュニケーション改革成功の秘訣 ツールの社内展開で押さえるべきポイント

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大きな成果の1つが、販売店を訪問し売り場づくりのサポートをするパート社員との迅速なコミュニケーションだ。パート社員が販売店へアプローチする際、開始時と終了時には必ず、社員に電話連絡する決まりだった。社員は車で移動していることが多く、連絡が入るとその都度、車を止めて電話に出ていた。

「Teams」を使ったチャットでの連絡は、当事者同士のやり取りがスムーズになるだけでなく、担当社員が商談中の場合などでも、周りがフォローすることで、すぐにパート社員の疑問に答えることができるようになったという。

「販売店様側から陳列棚に関する要望があった場合、これまではパート社員が写真を撮り、それをメールにまとめて連絡していました。当然タイムラグが発生します。現在は、撮影した画像を『Teams』で即座に共有しています。担当社員が対応できない場合は別の社員が即答できるため、パート社員もその場で販売店様側に返答ができるようになりました」(小池氏)

もちろん、個人の知見を共有する場としても、「Teams」は役立っている。電話やメールで行っていた社内コミュニケーションに「Teams」を活用。業務ごとにチャネルをつくり情報を集約したところ、抜け漏れが減少したほか、新たな営業手法の開発やその普及に寄与するなど、各組織でノウハウの共有が可能になった。

戦略的な展開を後押ししたCSMの存在

今では、対面でなければ議論や会議ができないという意識がなくなってきたのを感じているという小池氏だが、「さすがに1人で3000人を相手にしていくのかと思うと、気が遠くなりそうでした」と振り返る。

日本マイクロソフト
デジタルトランスフォーメーション事業本部
ワークスタイルイノベーション推進統括本部
カスタマーサクセスマネージャー
高田詞之氏

そこで、本社150人の反応を見たうえで、15ある支社で管理職に向けたハンズオン形式のトレーニングを実施。その後、各支社から3人ずつアンバサダーを募集し、研修を行った。小池氏のこうした戦略的な展開には、日本マイクロソフトのカスタマーサクセスマネージャー(CSM)である高田詞之氏のサポートが欠かせなかったという。

「これまで、管理職に向けた説明会は行っても、ハンズオン形式というのは初めてでした。管理職向けとなると、どうしても腰が引けてしまいがちだったのですが、高田さんに『管理職にこそ手を動かしてもらわなければならない』と背中を押されました」(小池氏)

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