「企業変革支援」でマイクロソフトが進む道 顧客を「成功へと導く」マネジメントの極意

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よき伴走者の存在は、業種を問わず多くの企業に、CSMを活用しながら変革を実現する手応えを感じさせることにもつながっている。

「業種にかかわらず、営業チームの業務改革という点では成果を感じやすいこともあり、皆さんワークスタイルを激変させています。『Teams』を使ってどこからでも会議に参加し、“ホウレンソウ”をいちいち意識しなくても連携が取れる。単純ですが、これだけで1日の訪問社数が倍増した例も少なくありません」(榎本氏)

こうした、ビジネス現場での取り組みだけではなく、災害対策を起点にワークスタイル変革に切り込む組織も目立ってきて、「Teams」を利用して現場の被害状況をリアルタイムに把握したり、台風の際の路線状況の情報共有に活用したりするほか、小売店が被害に遭った支店の迅速な復旧にも利用しているという。

答えはすべて「ユーザー企業の中」にある

こうしたユースケースを共有することも重要だが、榎本氏は「われわれよりも、ユーザー企業にアイデアやインサイトがあると考えています。これまでのテクノロジーのように、特殊な知識を必要とするものではなく、現場で使いこなすことで効果を発揮する製品だけに、答えは現場のお客様が持っているんです」と言い切る。

「あるお客様は、店頭で使用する物を倉庫へ格納するときや、営業時間終了後の点灯依頼申請に、以前は紙の申請書を提出しなければならないなど、紙と承認プロセスの往復で時間がかかるフローになっていたそうです。それを現場の方が『Teams』を使ってリアルタイムでの申請処理を可能にしました。こうしたアイデアは、われわれでは出てきません。われわれができることはあくまでもお客様のインサイトが出やすい環境づくりのサポ―トをすることなんです」(榎本氏)

これまで、CSM部隊がサポートするのは、大企業が前提とされてきたが、日本マイクロソフトでは、グループ会社のLinkedInを通じて、ESM養成講座のオンライン版の無償提供を実施するなど、より多くのユーザーのサポ―トを考えている。

「オンライン講座を活用いただくだけでも、実践していただけることはたくさんあると思います。考え方がわかってしまえば、例えば『今の課題をデザイン思考で考えていこう』といったことも、付箋さえあればできるわけです」(榎本氏)

「私がいつも言っているのは、『まずは、やってみましょう』ですね。全社的にというのが難しかったとしても、まずは自分たちの部署のデジタル化からでも、できることはたくさんあります。そこからの巻き込み方などは、われわれにご相談いただいてもいいですし、オンライン講座を活用していただいてもいいですし、とにかく動き始めることが大切なんです」(坂本氏)

次回は、CSMの支援によってコミュニケーション改革を実現した企業の取り組みを紹介する。