「企業変革支援」でマイクロソフトが進む道 顧客を「成功へと導く」マネジメントの極意

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ワークスタイルイノベーション推進本部 カスタマーサクセスマネジャーの坂本奈央氏は次のように語る。

日本マイクロソフト
デジタルトランスフォーメーション事業本部
ワークスタイルイノベーション推進本部
カスタマーサクセスマネジャー
坂本奈央氏

「われわれCSMは、全員チェンジマネジメントの資格認定を受けています。その知識やノウハウを使って、ユーザー企業の推進者の方々と組織変革に取り組んでいくのですが、目指しているのは、お客様ご自身にわれわれと同じような変革や利活用を推進する役割を担っていただくことです。そこで、利活用推進者『ESM(Employee Success Manager)』を養成する、チェンジマネジメントのメソッドにのっとった講座なども提供し支援させていただきます」(坂本氏)

ユーザー企業向けに提供するESM講座は、1日半という凝縮された日程ながら、ざっと挙げても以下の内容を体系的に学べるという。

1.ストラテジー・ビジョン策定
現在の状況を把握しつつ、働き方改革のプロジェクトのビジョンを明確化する

2.スポンサー
経営層の積極的な関与の重要性を理解し、プロジェクトを支援するスポンサーを獲得する

3.ガバナンス
利活用推進チームの組成とプラン遂行に向けたPDCAサイクルを構築する

4.シナリオ
各部門やユーザーにおいて、具体的にどのような働き方へと変化するのか、ビジョンから逆算して考える

5.KPI
働き方改革の貢献・進捗具合の可視化方法を知る

6.アンバサダー
現場での利活用推進者を立て、推進チームと一体になりボトムアップ的に推進させる

7.コミュニケーション
社内での認知度を向上させるPR施策などを洗い出し、全体的なスケジュールを作成する

8.ESMの勘所
利活用推進者として働いた経験を持つCSMがノウハウや体験談を共有する

9.各社のプラン発表
差し支えない範囲で各社が発表し、修了式を行う

この講座には、IT部門の担当者だけではなく、働き方改革やビジネス変革を目指すコアメンバーにも参加してもらう。また、15社ほどを集め、同じ会場で講座を進める。複数企業で一緒に学んでもらうことで、それぞれの企業から出てくる疑問やつまずきを含めた情報共有により、広く学んでもらうのが狙いだ。

コラボレーションツールの活用・定着の進め方

CSMは、企業内の推進者たちのスキルアップをサポートしながら、各企業に合わせた組織変革の突破口を探っていく。

CSMが担当したある企業では、紙の資料を用いた、議事録などもスピード感のない旧態依然とした会議を変えようとしていた。その際、まずスポンサーとなる社長に「Teams」を使いこなしてもらい、下の役職者に対して「えっ、まだ使ってないの?」と言ってもらえる状況をつくった。当然、活用と定着は進んでいった。

「簡単そうに聞こえるかもしれませんが、実際、企業のトップに使っていただくまでにはそれ相応の汗をかいています。例えば、スポンサーの状況が否定的であれば、まずはマインドセットを変えるところから動きますし、抵抗される方をどう味方につけていくかなど、推進者側のコアメンバーの方々は、事細かに裏側で変革のムーブをつくる努力をされています。われわれはESMのメソッドやほかの成功事例のノウハウを基に、現場に入りながらサポートしていきます」(坂本氏)

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