組織変革やツール導入で失敗する企業の特徴 20代が変化に柔軟なのは若いからではない
リバースメンターシップという言葉があるように、ツール導入もトップダウンではなく、若手がリードするチームづくりが必要だということだ。
佐々木氏は、これさえ入れておけば成功するというコラボレーションツールはなく、定着化には導入目的の明確化や若手の登用などが必要だとする。ただし、ツール選びの際、「1つのワークスペースの中でどれだけのことができるか、拡張性が担保されているかどうか」というポイントは外せないという。
情報過多の時代に、整理した情報を素早く共有するためには、さまざまなチャネルが1つのワークスペースの中で確認できる必要がある。チャットはもちろん、ビデオ会議やエビデンスに関する翻訳機能などもグローバルなチームでは必須になってくるだろう。
また、何か確認やアクションがしたいとき、ウィンドウをいちいち立ち上げてIDやパスワードを入力していると、そのたびごとに集中力が低下する。これは生産性に大きく関わるため、ユーザーが意識することなく、さまざまなチャネルにアクセスできるシングルサインオンも重要だ。
「生産性向上」に責任を持つ組織づくりが必要
そして、この「生産性の向上」というものに対し、「実行部隊として、企業の中に責任を持つ部門がないことが変革を止める一因」と主張する。
「コラボレーションツールにしても、ツールとしては情報システム部門が担当するものですが、コラボレーションを推し進めるものなのですから、働き方をマネジメントする意味でHR部門もコミットしなければいけない。さらにビジネス上のミッションを持つ話ですから、経営企画部門などが統括するべきです」
コラボレーションツールの導入は、単にテクノロジーを組織の中に導入することでもなければ、ツールを入れさえすれば終わりという話でもない。あくまでも組織変革を標榜する中の1つのアプローチであり、チェンジマネジメントを含めた意識変革のアプローチが必要になってくるのだ。
次回は、チェンジマネジメントによって「Microsoft Teams」の社内展開を推進し、組織変革と向き合う企業の取り組みを紹介する。