経済活動の発展に寄与する
「下請債権 保全支援事業」が果たす役割とは
建設投資が増加し建設企業にチャンス
福島 アベノミクスの第2の矢である機動的な財政政策の効果が表れているように思われます。平成24年度の補正予算、そして、平成25年度の当初予算に基づく、いわゆる15カ月予算も実行段階に入っています。公共工事も活発になっているようです。向井会長にお尋ねしたいのですが、実際の手応えはどうでしょうか。
向井 確かに、景気が回復していると実感します。今後は、経済の好循環が全国に波及するとともに、公共工事だけでなく民間の設備投資も、安定的に伸びてくれることを期待しています。
受注が増える一方で、建設資材の価格の上昇や、建設機械の不足なども起こっています。人手不足による人件費の高騰も懸念しているところです。
福島 江口さんにお伺いしたいのですが、全体として、建設投資の状況はどうなっていますか。
江口 一般財団法人建設経済研究所が今年1月に発表した「建設経済モデルによる建設投資の見通し」によりますと、政府建設投資については、平成25年度は、平成24年度補正予算と平成25年度の当初予算の本格実施により、前年度比で約15%増加すると見込まれております。また、平成26年度は、昨年12月に閣議決定した「好循環実現のための経済対策」に基づく平成25年度補正予算と平成26年度当初予算の効果が発現することにより、平成24年度比で約11%増加と予測されています。
民間住宅投資については、平成25年度は、消費増税前の駆け込み需要により、前年度比で約10%の増加、平成26年度は、その駆け込み需要の反動減により、平成25年度に比べ減少するものの、平成24年度を超える投資額になると予測されています。
また、民間非住宅投資につきましては、リーマンショックに伴う急激な減少からの回復基調が平成25年度・平成26年度と継続するとされております。
建設投資全体としましては、平成25年度は約49兆4500億円、平成26年度は約48兆9200億円と予測されており、いずれも平成24年度と比べ10%以上の増加となる見通しです。