
「『Microsoft Teams』はマイクロソフト史上、最速で成長している製品です」
そう語るのは、日本マイクロソフトで「Teams」のマーケティングを担当する春日井良隆氏。
現在「Teams」を利用する組織は全世界で50万を超え、総収入ランキングの上位に名を連ねるグローバル企業の利用割合が極めて高いという。日本企業の利用も、加速度的に広がっている。
「Teams」はなぜ、多くの企業に受け入れられているのか。春日井氏は2つの要因を挙げた。
「1つ目は、企業の中で“個人”ではなく“チーム”で成果を出すことが求められる時代になったこと。2つ目はチャットの隆盛。そのスピード感やグループ展開の素早さを日常生活で体験し、当然ビジネスの世界でも求められるようになりました」
仕事をするうえで最も手間となる他者への伝達
「Teams」は、簡単に言ってしまえば、「チャット」「会議・電話」「ファイル」を案件ごとに効率的に管理するもの。それぞれ単体の機能は、さまざまな企業からビジネス向けサービスとして提供されているが、これらすべてを“1つのプラットフォーム上”で実現しているものはない。
「チャット」「会議・電話」「ファイル」を案件ごとに管理する。実はこれが個人の仕事を驚異的に効率化させる。
これまで、出社してPCに向かって初めにすることといえば、社内のグループウェアやメーラーの確認だろう。その後、ブラウザーを立ち上げ、WordやExcelなどのアプリケーションを使って仕事に取りかかる。これらのソフトウェアにバラバラにアクセスしなければならず、必要なメールや資料を探すために多くの時間を割いていた。
しかし「Teams」の場合、立ち上げると同時に、グループウェアもチャットもさまざまなファイルやアプリケーションが1つの画面の中に集約される。案件ごとに整理されたワークスペース上部のタブを切り替えるだけで、必要なコメントや関連資料がすぐに見つかる。もちろんファイルをチーム全員で共有し、作業することも可能だ。連携するアプリケーションは、マイクロソフト製品に限らず、ビービーシステムの「ScheduleLook for Microsoft Teams」やピーエスシーの「Coo Kai Team Build」のようなサードパーティー製のアプリケーションも利用できる。
非効率な働き方をする必要がなくなる理由
さらに、音声通話やビデオ通話を活用すれば、外出先や移動中でも会議に参加できる。その会議の様子も簡単に録画できるため、「Teams」にアップしておけば、会議に参加できなかったメンバーとも容易に情報共有できる。
上司への報告や連携部署への指示、新たなプロジェクトメンバーへの引き継ぎ……。こうした他者への伝達は、仕事をするうえで最も手間となる。
「過去のコメントや資料はもちろん、録画した会議の様子がチャットに残されているため、誰かが資料を準備したり説明したりする必要がなく、引き継ぎが自然とできてしまいます。これが『Teams』を活用するメリットの1つです」(春日井氏)
指示や引き継ぎが面倒なため、結局自分でそのまま仕事を行う。そんな非効率な働き方をする必要がなくなる。
AIを活用した新機能が続々と登場しており、この先も進化し続ける“将来性”を感じさせる。
例えば、ビデオ通話では、自宅やカフェから参加する人に配慮し、自動で背景をぼかす機能がある。そのうえ、音声を自動的に文字に変換して字幕表示することもできる。現在のところ対応しているのは英語と中国語だが、英語のビデオ会議でヒアリングが心配な人にとっては、文字情報が表示されるだけでも心強いだろう。もちろん近い将来、日本語にも対応するという。さらにこの字幕機能は、自動翻訳も予定されているそうだ。
つまり、言語の壁を気にすることなくグローバルなコラボレーションが簡単に実現できるということだ。実際、同社では、グローバルな共通情報についても、ビデオ通話会議を開き、動画を配信するだけで徹底できるという。言葉の壁も時差も気にする必要がない。
春日井氏と同じ部署でプロダクトマーケティングマネージャーを務める平井亜咲美氏は、次のように語る。
「AIを活用できるのも、マイクロソフトが『Windows』や『Office 365』、『Cortana』などから集約するビッグデータを持っているからです。すでに『Excel』は、インテリジェント機能でデータ分析の傾向をアドバイスし、『Word』では、次に使用する機能をお勧めするコンシェルジュ的な機能も増えてきました。今後、『Teams』でもこの傾向は続くでしょう」
「03」から始まる固定電話番号も利用可能に
日本の商習慣への対応にも余念がない。国内では、信用性の観点からまだまだ固定電話番号が重視されている。そのため、ソフトバンクとのパートナーシップにより、「Teams」ユーザーに「03」や「06」などの市外局番から始まる固定電話番号を割り当てる「UniTalk(ユニトーク)」の提供を開始した。名刺や階層型アドレス帳のような日本固有のビジネス文化も「Teams」で利用できるように、事業者との連携を進めているという。
「『Teams』は、チームワークを実現するハブです。連携するクラウドサービスやアプリは多く、とりわけ海外製品が多いのですが、今後、日本のツールとの連携にもスピード感を持って対応していきたいと考えています」(平井氏)
「日本企業で、IT環境はコストセンターとして考えられてきましたが、『Teams』は単なるツールではなく、プラットフォームであり、ハブであり、次世代のOSとなるはずです。文房具の延長線上に考えるものではなく、ビジネスを根底から変えるソリューションとして捉えていただきたいですね」(春日井氏)
かくいう同社も、初めから『Teams』をスムーズに運用できたわけではない。IT活用に抵抗の少ないミレニアル世代が経営層に手ほどきをする「リバースメンターシップ」を導入するなど、数々の取り組みを実施。こうした経験を踏まえ、導入企業の環境に最適化させて使用するためのサポートを行っている。
次回は、マイクロソフトが導入企業をどのようにサポートしているのか、そのカギを握る「CSU(カスタマーサクセスユニット)」の活動について深掘りする。