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企業変革を阻害しているのは「あなた」かも? Microsoftが変革を「推進・加速」できた理由

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  • 日本マイクロソフト 制作:東洋経済ブランドスタジオ
テクノロジーの目覚ましい進展がビジネススピードを加速化させ、組織改革が企業の喫緊の課題となっている。しかし、従来の方法に固執し、変革に反対する従業員など、阻害要因は多い。いや応なく求められる組織改革を推進・加速させるためにはどうすればよいのか。全6回にわたり、企業の先進的な取り組みや専門家へのインタビューを基に、答えをひもといていく。第1回となる今回は、「働き方改革」の旗手といわれている企業の軌跡を追う。

多くの日本企業が「働き方改革」に取り組んでいるが、経営層や推進部門から「いま一つ効果を実感できない」とか「現場の反発が強い」との声を聞く。

その理由について、現在、日本で最もワークスタイルイノベーションが進んでいる企業の1つとされる日本マイクロソフトで、マイクロソフトテクノロジーセンターエグゼクティブアドバイザーを務める小柳津篤氏は「『働き方改革』の目的を間違って捉えているから」と分析する。

同社では、フレックスや時短、ノー残業デーなどを意識することなく、いつでも、どこでも、全社員が自身に見合った働き方を実践している。そのうえで、年間売上高を過去10年で180%に成長させるとともに、業務時間数はマイナス13%を達成。離職率も減らしながら1人当たりの生産性を202%に引き上げた。

日本マイクロソフト
マイクロソフトテクノロジーセンターエグゼクティブアドバイザー
小柳津 篤氏

約20年前、「働き方改革」という言葉すらなかった時代から、同社はワークスタイルの変革に力を注いできた。その目的はあくまでも「生産性の向上」。もちろん、女性の社会参画や子育て支援、ダイバーシティーへの取り組みも行ってきた。

しかし、最終的には、一部の社員の働きやすさを追求しても何も変わらない、つまり、すべての社員の生産性を上げることが、結果として事情のある社員にも働きやすい環境を実現できるという真実に行き着いたのだ。

「単に、フルタイムで働けない人材に焦点を当てた制度では、その人すら活躍させることはできません。働き方の改革の本丸は、組織戦略であり経営戦略として実行しなければ意味をなさないのです」

「手続き型業務」から「三人寄れば文殊の知恵」に

なぜ働き方改革が、組織戦略や経営戦略になりうるのか。

「日本はこれまで、『手続き型業務』をきっちりとこなすことで成功してきました。現場のカイゼンを最善に、徹底的に業務プロセスを圧縮し、マニュアル化するのはお家芸。しかし、アジアの教育水準が上がる中で、プロセス化さえできてしまえば、単純業務では人件費の高い日本人は必要とされなくなりました」

しかも時代は、テクノロジーが進化を極めている。プロセス化できる業務に関しては、AIやRPAがその役割を担う。だとすれば今後、社員が決まりきった業務の遂行ではなく、生産性や創造性を発揮できなければ企業成長は見込めなくなる。

「生産性を高め、創造性を発揮するには、『三人寄れば文殊の知恵』といわれるように、いかに社員同士のコラボレーションを生み出せるかにかかっています。今後、企業は経営者が現場のカイゼンに期待をするだけでは立ち行きません。もっとドラスティックに業務をリデザインする必要があり、そこまで踏み込めるかが『働き方改革』なのです」

では、「手続き型業務」から「三人寄れば文殊の知恵」へと変えていく働き方改革を実践するにはどうしたらよいのか。そこには、同社が経験の中でつかんだ3つのポイントがあるという。

10年間で年間1100万枚の書類を削減

「働き方改革」という言葉すらなかった時代から、ワークスタイルの変革に注力してきた日本マイクロソフト。その目的はあくまでも「生産性の向上」である

1つ目は業務の整理整頓、いわゆる標準化と電子化だ。多くの企業がペーパーレス化に力を入れているが、業務フローの徹底的な見直しはもちろん、個人においても極限まで電子化を進めなければ意味をなさないという。

「われわれマイクロソフトの社員は、ミーティングでも何か共有しなければいけないインフォメーションに接するときには、必ずキーボードで打ち込んでいるか、スマートフォンでメモを取っています。電子化できなければ、その後の共有やアーカイブ化、翻訳、追跡など、後につながるシームレスな連携を失うからです」

同社は10年前と比べて、社内業務で使用する書類の枚数を年間1100万枚削減。これは、単に紙をなくすのではなく、そこに発生していた無駄な業務を排除し、その後の生産性の高い作業につなげることを意味する。全社的な業務の電子化はもちろん、個人作業の徹底的な電子化も必要だ。

2つ目は、利便性と安全性を備えた環境の整備。いくら電子化を進めようとしても、オフィス以外でのセキュリティーに不安があったり、業務システムにつながる反応が遅かったりすれば、社員はオフィスから離れることはできない。

もちろん、時間管理や業績評価、教育など、あらゆるマネジメントフレームワークを含めて、利便性と安全性を保証する必要はあるが、テクノロジーの活用も不可欠だ。

例えば、「Microsoft Teams」は、ビジネスチャットでリアルタイムコミュニケーションを実現し、ビデオ会議や音声会議などで場所を問うこともない。「Office 365」でファイル共有や共同作業も簡単に行えるため、スピーディーなチームコラボレーションを実現する。

「『Teams』には高度なセキュリティー機能があり、コンプライアンス要件にも広く対応しています。利便性とセキュリティーのバランスのよさは類いまれ」と小柳津氏も自信を持つ。

そして、こうしたテクノロジーの活用には、デジタルネイティブ世代と年配層の世代間ギャップを不安視する企業も多いが、「もはやどんな世代にもITリテラシーを問うのは愚問」と言い切る。

「考えてもみてください。今や、われわれの私生活にはスマートフォンが欠かせなくなり、あらゆるサービスが指先1つの作業で完結するようになっています。旅行にしても、下調べから発券、決済など、すべてスマホ上で完結します。私生活がクラウド上で進められるのに、職場ではテクノロジーを使えないというのはナンセンスです」

「100の説明会」よりも「1つの体験」

これらの環境を整えたうえで欠かせないのが、3つ目のポイントとなる習慣化だ。変革を促す際には反発がつきもの。当初、同社でもワークスタイルを変えることに躊躇する社員もいた。しかし、「習うより慣れろ」の体験がブレークスルーになったという。

転機は東日本大震災。同社では、トップダウンで震災翌日からの出社を停止した。しかし、業務は遂行される。本社に社員が出社しない状況の中、テレワークでの業務継続がなされたのだ。

「2、3日は社員も不安の中で業務をしていましたが、まったく支障が出ない。よく考えたら、出張の際となんら変わらない。1週間後には、ワークスタイル変革を疑問視していた社員も、その利便性を実感し、自然と習慣化していったのです」

この経験から、多くの説明会を重ねるよりも、体験型のプログラムを推進することになった。

働き方を変えることは、人事部門が汗をかくだけの話ではない。徹底的に無駄を排除し、生産性を高め、さらに社員たちのコラボレーションで創造力を引き出す組織戦略、経営戦略である。企業のトップがそのビジョンを持てれば、「働き方改革」は想像以上の価値をもたらすだろう。

日本マイクロソフトでは「Teams」などのソリューションとともに、自社のノウハウを提供しつつ企業のワークスタイルイノベーションをサポートする。