スマートシティは電力システム、成長戦略の要

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日本のスマートシティ
インフラを世界へ

―― スマートシティは我々にどんな未来をもたらすのでしょうか。

柏木 私も委員を務めた総合エネルギー調査会基本政策分科会の「エネルギー基本計画に対する意見」はエネルギー政策の基本視点として安定供給、コスト低減、環境負荷低減、安全性に加え、経済成長と国際的視点の重要性に触れています。

経済成長は、電力に続いてガスの自由化も進め、縦割り構造を崩されたエネルギー事業者に加え、電機や住宅メーカー、ICT事業者らの間で連携、競合を促し、総合エネルギー企業を出現させることを目指します。高齢化時代には電力消費データによる安否確認など、医療・介護分野との連携も考えられるでしょう。

国際的には、エネルギーは世界共通の商品という認識を深め、スマートシティのインフラの新興国・途上国への輸出を検討すべきです。途上国では電力不足が工業化を妨げています。さらに、電気のない生活をしている人が世界人口の約4分の1、16億人もいるのです。化石燃料への依存を抑えてエネルギーを安定供給できる体制を構築することは世界的に急務なのです。

宮城県大衡村のF-グリッド構想など、日本では既にスマートシティが具体化しつつあります。省エネ機器を単品で売るのでなく、インフラシステムにまとめることで、国際競争力を保てる輸出品になります。エネルギー関連産業は日本の経済成長を支えることができると期待しています。