住友生命「健康なほど保険料が安い」保険の成否 発売開始から1年、血圧が低下した加入者も

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

さらに、バイタリティ加入者は、累計ポイントに基づき判定されるランクに応じて、住友生命のパートナー企業が提供する特典(リワード)を活用できる仕組みもある。パートナー企業はソフトバンクやローソン、スターバックスコーヒーなど11社(2019年9月末時点)で、各社の商品やサービスの割引特典を受けられる。

ただ、前出の雨宮氏は「行動変容をもっとも後押ししているのは、アクティブチャレンジの仕組みだ」と強調する。

バイタリティは血圧改善に役立ったのか

アクティブチャレンジとは、1週間ごとに設定した目標ポイントを達成することで、さまざまな特典が受けられる短期プログラムのこと。歩数や心拍数の上昇などの週間目標を達成すれば、スマホアプリ上のルーレットを回して、スターバックスのドリンクチケットなどが毎週当たる。健康増進活動を長続きさせるため、短期的な目標のご褒美をあげることで、活動への意欲を高めてもらう狙いがある。

1週間ごとに目標をクリアすると、スターバックスのドリンクチケットなどが当たる(撮影:尾形文繁)

バイタリティは、もともとは南アフリカのディスカバリー社が1996年に開発した健康増進プログラムで、すでに世界21カ国で1000万人以上に利用が広がっている。国ごとに1社と単独契約を結ぶのが同社の方針で、日本では住友生命が唯一の提携企業だ。2018年7月の販売開始以来、1年間で約31万人(2019年9月末)が加入した。

ただ、今回の平均歩数の増加や血圧値の低下だけをもって、「バイタリティ加入で高血圧が改善された」とは言い切れない。減塩など食生活の見直しや禁煙など、血圧を低下させる要因はさまざまだからだ。

すでに20年以上にわたってバイタリティが提供されている南アフリカでは、加入者の疾病の罹患率や死亡率などが低下している。しかも、健康増進への取り組みで獲得できるポイントが多い人ほど、長く健康を維持できているという。

次ページバイタリティで大きな優位性を手に入れた
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事