楽天が示した社会課題解決の新しいスタイル 2期目に突入するRakuten Social Accelerator

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協働の結果、楽天の社内で湧き起こった大きな変化

単なる投資を通じた社会課題解決への参画ではなく、「人」が自発的な行動を通じて多様なリソースを持ち込んでいく取り組み。それがRSAということだが、成果は何も社会起業家団体の実績にだけ表れたわけではなかったようだ。その典型的な表れの1つが、第1期参加メンバーたちの継続的な関わり方。高橋氏、南部氏は現在進行中の第2期RSAでは事務局メンバーとして参画している。

南部:私も高橋も、第1期が終了する前から「第2期にも関わりたい」という意思を固めていました。理由はシンプルです。とにかく楽しくて刺激的な日々を体感できましたし、日々の業務で得られるものとは別のやりがいや達成感を手に入れることができたからです。私たちの場合で言えば、地方創生という社会課題の解決に携われているという使命感や当事者感覚が本当にうれしかったですし、日常の業務では決して出会えないような方々とのリレーションシップのおかげで、仕事へのモチベーションも高まっていきました。

実際に長野県阿智村の旅館で「おてつたび」を体験した楽天社員。自身がユーザーとなることで、より一層「おてつたび」の魅力に気づいた

高橋:もっと単純なことを言えば、永岡さんとの結束が固まっていく過程だけを挙げても、ひたすら楽しかったですよね。社内にあるのとは別物のエネルギーを放っている人と一緒に同じ目標に向かっていくのも面白かったですし、週1ペースで飲みに行って本音をぶつけ合う時間も楽しかったです(笑)。やはり傍らで眺めているのではなく、経験したことのない渦中に飛び込んだからこそ、「この取り組みは1期とか2期で終わらせてはいけない。サスティナブルに10期、20期と続いていくようにしなければ」という、新たな使命感も湧いてきました。

永岡:私自身も醍醐味を堪能しましたし、仕事だけでなく、お酒を飲みながら、一緒に「おてつたび」の未来について本気で語れて嬉しかったです。おそらく私のように単身や少人数で社会起業を果たした者にとっては、楽天のように先進的で巨大な規模の組織の中に味方ができただけでも強く背中を押してもらえます。志に共感してくれて、共に夢を語り合える仲間がいることは、本当に大きいことだと実感しました。しかも、楽天という大企業の方々と私たちスタートアップ企業は当たり前ですが「脳の筋肉」が違うので、触れ合う時間が全て学びにもつながっていきました。

南部:それは私たちも同じです。普段周囲にいる人たちとは違う「脳の筋肉」の持ち主と一緒に働く経験は、確実に私を成長させてくれました。

2019年の1月に終了した第1期RSAだが、これに参加した楽天の有志社員の多くが、2019年3月から準備段階に入った第2期RSAに何らかの形で継続的に関与しているという。さらに7月に行われたキックオフミーティングの段階で、すでに協働メンバーとして手を挙げた社員の数は前回の2倍以上に膨れあがったとのこと。社会起業家団体からの参加希望も急増した。

高橋:1期目で生まれた「つながり」という成果が、間違いなくさまざまな場面にレピュテーションとなって広がっていき、第2期RSAの参加希望団体が急増する事態を呼び込んだのだと確信しています。もちろん数字面や目に見える成果も問うていくのがRSAなのですが、数値化や可視化できないエモーショナルな面での成果もあって、次につながったのだと自負しているところです。

南部:永岡さんのような社会起業家の皆さんとの「つながり」ばかりでなく、RSAに参加した楽天社員同士や、RSAを起点にした社内エンゲージメントが、通常の業務にもプラスの効果を上げてもいますよね。

忙しい合間をぬって、テレビ会議を行うことも多かった

高橋:人材採用の場面でも、学生の間でRSAのことが認知されて、楽天に興味をもった志望者が出てきているようです。

オープンイノベーションなど、昨今では大企業とスタートアップのコラボレーションやアライアンスが常態化してはいるものの、その実、規模や志の違いによる温度差であったり、協働というものの捉え方の違いであったりが原因となって、連携が機能していないケースも少なくない。しかし、RSAの場合は、互いが「違い」を認識した上でそれぞれ魅力を感じ合いながらつながったことで、ビジネス的にも成果を上げ、双方の人の成長にも寄与しているようだ。

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