大黒屋「中古品買取だけじゃない」大望とは? 質屋だからこそできる、壮大な挑戦が始まる

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ブランド中古品買い取り・販売と質屋業大手の大黒屋ホールディングスが新たな成長戦略を掲げ、動き始めている。国内では本業のブランド中古品買い取り・販売と質屋業の強化とともに団塊の世代を支援する新規事業を計画。海外では中国を中心とした事業拡大に伴いグローバルオムニチャネルの拡充を推進している。目指すのはブランド品リユース市場のグローバルナンバーワン企業である。その目指す先には何があるのか。大黒屋ホールディングス代表取締役社長の小川浩平氏に話を聞いた。

高く買って安く売る公正な値付けが生命線

大黒屋ホールディングスの傘下でブランド中古品買い取り・販売と質屋業を展開する大黒屋は、現在、関東から九州までのエリアに全26店舗を展開している。全国規模で質店を展開しているのは業界でも希有。(※1)大黒屋の創業は1947年。以来、七十有余年の歴史を積み重ねてきた。モノを預かり現金を貸すというファイナンス業を出発点として、ブランド品やジュエリーなどの買い取り・販売にも進出し、信頼と実績を築き上げてきたのである。

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全国規模で質店を展開している希有な存在。同社では、各店の店長に権限を委譲しており、地の利を生かした店舗運営が可能だ

質屋業を出自とする同社にはいくつかの質屋業固有の強みがある。例えば在庫回転率(4.04回)の高さと、それをベースにした売上総利益率(35.2%)(※2)の高さ。これが同社の安定的な業績を支える最大のバックボーンとなっている。

なぜこのような高い在庫回転率と利益率が可能になっているのか。その点について大黒屋ホールディングスの小川浩平氏は次のように説明する。


大黒屋ホールディングス
代表取締役社長
小川 浩平

「在庫回転率を最大化するには、高く買って安く売るのが基本です。お客様は値段に納得しなければ、モノを預けもしなければ買いもしません。そのためには真贋(しんがん)の判定とともに、商材の価値を正確に見極め、公正な値付けをする眼力が必要です。それが当社のスタッフには備わっている。一朝一夕には身に付かない強さが当社にはあります」

これこそ70年を超える歴史の積み重ねによるものなのだろう。さらに同社は店長に積極的な権限委譲を行っている。若い時から多種多様な来店客と1対1で相対し、モノを見極めると同時に人も見極める。丁々発止の駆け引きが展開されることも珍しくない。そうした体験の積み重ねにより、眼力だけでなく胆力も養うのだ。

AIも活用して真贋判定

しかし、同社はそうしたアナログ的な強みだけに頼っているわけではない。それを補完するものとして、AIを活用した真贋の判定も行っている。さらに日々容量を増していくデータベースも構築している。これはいわばアナログとデジタルのシナジーによる強さだ。その強みを生かし、オンライン上で買い取り・販売を行うECも展開している。また、新宿本店、銀座店、梅田店などのターミナルに立地する大型店をはじめ、全店舗でブランド中古品の買い取り・販売も行っている。いわばオフラインの買い取り・販売だ。全国26店舗という多店舗展開に加えて、多様なチャネル展開をすることにより、高価買い取りや需要に応じた適正な商品配置が可能になるというわけだ。

※1,2 自社調べ

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オンライン・オフラインで買い取りした商品は、一度本社に集めて鑑定をする。 そうすることでスピーディーで一定の値付けが可能になる
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