ABCテレビ制作・テレビ朝日系『ポツンと一軒家』の勢いが止まらない。
さる6月9日のオンエアで初の20.3%を記録(ビデオリサーチ調べ、関東地区 以下同)。その後も『ポツンと一軒家』の勢いは止まらず、6月23日(20.7%)、6月30日(20.7%)、7月7日(20.6%)、8月18日(20.7%)と、何度も20%クリアを実現している。この夏、この時間帯を完全に制圧した感がある。9月8日の放送回も20.7%と、過去の放送で3回マークした番組最高と並ぶ視聴率を記録した。
それほどの人気番組となったので、人気の理由はあちこちで語られているのだが、今回、この論考では、それらの分析に加える形で、『ポツンと一軒家』に関する(一見)表面的でさまつなポイントを指摘しておきたい。
「表面的でさまつ」と自虐するも、もしかたらそこには、『ポツンと一軒家』の人気要因、ひいては今後のテレビ界の可能性を指し示す、本質的な何かがあるかもしれないと思うからである。
ポツンと一軒家の7文字が持つ深い意味
それは番組タイトルの妙である。
『ポツンと一軒家』――ぽつんといっけんや。
私はこの7文字のタイトルが実は絶妙で、この番組の人気獲得・確保に、結構大きな貢献をしているのではないかと思うのだ。
象徴的なのは、最近の『ポツンと一軒家』のロケ映像内に映り込んだ一般の視聴者が「『ポツンと一軒家』見てますよ!」「『ポツンと』がついにここにも来ましたか!」と話すさまである。それはこの番組が高視聴率だということに加えて、このタイトルが独特の親しみやすさを持っていることの証左だと考える。
このタイトルは、番組内容を極めて的確に伝えている。禅問答のようになるが、『ポツンと一軒家』の番組内容はまさに「ポツンと一軒家」である。「ポツン」とある「一軒家」を探しに行くことに尽きる番組内容を不可分なく伝えている。言い換えると「そのまんまやん」系番組タイトルといえる。
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