5Gが後押し、ライブ配信アプリの可能性 今や利用者は「若い女性」だけではない

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
ライブ配信によって、誰でも気軽にスターになれる時代がきている

次代の無線通信システム「5G」の本格普及を目前に控え、いま急成長している市場がある。アプリを通じて歌やトークを生配信する「ライブ配信」市場だ。中でも注目を集めるのが、売り上げを大きく伸ばしているライブ配信アプリ「17 Live(イチナナライブ)」。視聴者からの“投げ銭”で成り立つ収益システムや、メディアでありながらライバー(ライブ配信者)育成の役割も備えている点など、従来のメディアとは異なる斬新な運営が特徴だ。

2020年には7442億円の市場規模に

高速大容量、低遅延、低電力、低コストなど、現在主流の4Gを大きく上回る高度な無線通信が期待される「5G」(第5世代通信)。その導入を目前に控え、「ライブ配信」の市場が盛り上がっている。2018年のライブ配信市場の売り上げ規模は132億円だが、20年度には7442億円の市場規模になると予測されている。※1

数あるライブ配信アプリの中でも高い人気を集めているのが「17 Live」だ。ライブ配信アプリとして瞬く間に1000万ダウンロードを記録し、日本でローンチしてからわずか1年後となる2018年9月には、日本でのマーケットシェア1位を獲得した。※2

※1 App Store,Google Play,モバイルインデックス(jp.mobileindex.com)
※2 米フロスト&サリバン調べ

「17 Live」は、台湾の著名ヒップホップ・アーティスト、ジェフリー・ファンが2015年に立ち上げたライブ配信サービスだ。現在、台湾や日本以外にもグローバルに展開され、ユーザー数は4200万人を超えている。職業としてプロライバーを目指し、「17 Live」と直接契約を結ぶライバーの数は、日本だけで1万5000人にのぼる。ユーザーは10代~70代までの幅広い世代にまたがり、若者世代に浸透する一方で、意外にも40代以上のユーザーが40%以上を占め、各世代に満遍なく支持されている。ライブ配信の内容は、歌や楽器の演奏からダンス、トーク、ゲーム配信、CGのキャラクターに声をあてる“バーチャルライバー”までさまざまだ。

出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング 「ライブ配信サービス(投げ銭等)の動向整理」2018年12月14日(消費者庁受託調査)

「17 Live」が大きな支持を集める要因の一つが、ライバー(ライブ配信者)フレンドリーな運営スタイルだ。例えば、ライバーの“実入り”の良さ。視聴者は応援の気持ちを込めて有料の電子ギフトをライバーに贈ることができるのだが、この電子ギフトがライバーと運営元の収益になる仕組みだ。同社は、所属事務所やエージェントを通さず、ライバーへ直接、報酬を振り込んでいて、ここには強いこだわりがあるようだ。

次ページライバーの育成にも積極的