9月3日に配信した「『年収1億円超』の上場企業役員、上位500人リスト」には、多くの関心が寄せられた。
一般的なサラリーマンの生涯給料の何倍もの額をたった1年で稼ぐ役員の多さに、驚いた読者も多いだろう。ただ、上場企業役員ともなれば、役員報酬以外にも大きな収入源がある。自社などの保有株による配当収入だ。
そこで上場企業3740社、4万1071人の上場企業役員の最新人事データを収録している『役員四季報2020年版』および『有価証券報告書』のデータを用い、役員報酬1億円超の上場企業役員の中で「配当を含めた収入」が高い上場企業役員トップ500人をランキングで紹介する。
今回の集計対象は、2018年5月~2019年4月に本決算を迎え、1億円を超える役員報酬を得た役員を有価証券報告書で開示した上場企業だ。本ランキングの上位に名を連ねた面々が、「『年収1億円超』の上場企業役員、上位500人リスト」のそれとは異なる点に注目されたい。
柳井正氏と孫正義氏が総額100億円超えで突出
上場企業で最も稼いだ経営者は、ユニクロやジーユーを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長だ。
柳井氏の配当含む収入の総額は105億1400万円となった。役員報酬ランキングでは60位の4億円だったが、配当収入が101億1400万円(昨年は80億4500万円)あった。配当収入が昨年から20億円以上増えた理由は、1株当たりの配当金が350円(2017年8月期)から440円(2018年8月期)にファーストリテイリングが増配したことが要因だ。同社は8月決算のため柳井氏の配当収入も2018年8月期で計算している。
2位はソフトバンクグループの孫正義氏で104億0200万円。孫氏は役員報酬ランキングでは162位(2億2900万円)だが、配当収入が100億円を超えている。
なお、孫氏は「2011年度から引退するまでのソフトバンクグループ代表としての報酬全額」を寄付し、東日本大震災の震災遺児、およびその他多くの遺児などを支援すると発表している。なお、両社共に1994年7月上場で、孫氏と柳井氏は個人的な親交が深いことでも知られる。
本ランキングでは創業(家)社長が多くランクインしている。注目すべきは5位にランクインしたZOZO社長の前澤友作氏だ。役員報酬は1億8400万円の233位だったが、配当収入が26億3300万円あった。ほかの有名どころでは15位のトヨタ自動車・豊田章男社長(14億3100万円)や24位の楽天会長兼社長の三木谷浩史氏(9億3800万円)などがいる。
また、経営者の親族や資産管理会社が大株主になっている企業も少なくなく、一族単位で見るとさらに大きい配当金を得ているケースもありそうだ。
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