進次郎と滝クリ「令和婚」に込められた深謀 目立つ進次郎流「メディア戦略」のしたたかさ
官邸での首相への結婚報告としては、2006年に小泉チルドレンの代表格ともてはやされていた杉村太蔵衆院議員(当時)が、小泉純一郎首相(同)を官邸に訪ねた例がある。ただ、カップル2人そろっての結婚発表会見が官邸からライブで発信されたのは「過去に例がない」(民放幹部)という。
注目されたのは官邸での結婚報告のタイミングだ。小泉氏は身重の滝川さんが安定期に入ったこと、6日の広島、9日の長崎という原爆の日の合い間で「この日しかない」と判断。菅長官に2人そろっての面会を申し入れたと説明した。
前日にはプロゴルフの全英女子オープンで日本人選手として42年ぶりメジャー制覇を果たした渋野日向子選手の帰国と記者会見がテレビで生中継されたばかり。「まさに絶妙のタイミング。テレビ局の動きを熟知する小泉氏らしい」と政界関係者も舌を巻く。
したたかなメディア戦略か「政治の私物化」か
しかも、すべてのメデイアが追っていた小泉氏の結婚話なのに、自ら公表するまでまったくスクープを許さなかったのも極めて異例で、完璧な情報管理にも成功した。「週刊誌に結婚をかぎつけられる前に、昼間のワイドショーの時間を狙って一斉に情報を発信したように見える」(有識者)だけに、小泉氏のメディア戦略のしたたかさも際立つ。各メディアが一斉に実施した街頭インタビューでも、ほとんどが「驚いたが、素晴らしいカップル」などと祝福する反応ばかりだったという。
ただ、小泉氏の今回の手法については、辛辣な政権批判で知られる女性ブロガーが「自民党の議員になると首相官邸で結婚発表ができるのか。政治の私物化もこれに極まれりって感じ」と書き込むなど、批判も出ている。小泉氏は昨年9月の自民党総裁選の際、投票直前に「石破茂さんに投票します」と記者団に明かして「首相陣営と石破陣営の双方に配慮した八方美人の対応」(自民長老)と揶揄された過去もある。今回も「メデイアの使い方は抜群にうまいが、あざとさも目立つ」(自民幹部)と苦言を呈する向きも少なくない。
小泉氏はこれまで、結婚観を聞かれると「古風なところがある」と亭主関白志向を口にし、「だから(結婚は)難しい」などと煙に巻いてきた。しかし、結婚した滝川さんは4学年上の「姉さん女房」で、しかも美貌と巧妙なトークでテレビ局などから引っ張りだこの「バリバリのキャリアウーマン」だ。
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