「ユニークベニュー」で加速するMICE誘致 東京都が高める都市としてのプレゼンス

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研ぎ師の藤代龍哉氏による真剣研磨の様子

研ぎ師の藤代興里氏・龍哉氏ら名人による真剣の研磨は、その精神を集中させる所作に得も言われぬ緊張感が漂い、思わず息をのんで見入る場面も。参加者からは「本物の刀剣を近くで見たのは初めて。日本酒バーや和楽器ジャズなど日本らしさが凝縮されたすてきなイベントだった」などといった感想が寄せられた。

刀剣博物館は、広々とした講堂や休憩スペースを備えている。また、江戸時代に整備された旧安田庭園に隣接していることから、日本の伝統美に関心がある利用者にとって、イベントやレセプションを開催するのにうってつけの施設だろう。

今回イベントでライトアップされた旧安田庭園

東京都は、インバウンドなど観光関連のノウハウを有する東京観光財団と連携し、都内ユニークベニューの活用促進に向けて取り組んでいる。東京都産業労働局観光部企画調整担当課長の山﨑貴晃氏は、「東京都では、14年度からユニークベニューに関する事業を開始し、以降その活用促進に向けた取組を展開しています。具体的には、利用可能な施設の調査・開発やユニークベニュー紹介パンフレット作成のほか、主催者らのニーズに応じたユニークベニュー施設を紹介したうえで、イベントなどの開催に関わる各種調整を総合的に支援するワンストップ総合支援窓口『TokyoUnique Venues』の運営に取り組んでいます」と語る。

東京観光財団の藤村氏はこの取組についてこう続ける。「ワンストップ窓口の運営を通じ、こちらが当初想像していた以上にユニークベニューには高いニーズがあることがわかりました。MICEやレセプションなどの開催に際し、従来のホテルやイベントスペースなどに代わるユニークベニューへの期待や要望を主催者やプランナーから数多くいただいております。我々としては、『伝統と革新』を併せ持つ東京のユニークベニューの活用事例を増やし、その魅力を発信することに注力していきたいと思います」

ユニークベニューの利用推進には、地域資源を活用して都市の新たな魅力を発信することで、東京の都市としてのプレゼンスを高める狙いがある。東京都・東京観光財団は今後も、旧前田邸をはじめとした都内有数のユニークベニューで「TOKYOユニークベニューショーケースイベント」を開催する。