インバウンド増加中も「旅館」人気が鈍い理由

地方の「コト消費」を望む訪日客の心理とは

海外向け広告を展開するインターネット広告代理店であるイーエムネットジャパン代表取締役社長の山本臣一郎氏も、言語の問題についてこう指摘する。

山本臣一郎
イーエムネットジャパン代表取締役社長 CEO

「多くの旅館の公式サイトが多言語対応できていないという印象を受けています。または、英語で表示しているにもかかわらず、機械的に翻訳されているため、正確な意味が伝わっていないケースも見られます。例えば、香港の方と台湾の方にメッセージを出す場合では、同じ言葉を使っても意味合いが変わってきます。まずは適切な言語を使って安心感を与えること。そして、アピールしたい旅館の魅力のディテールを多言語化することで、集客が期待できるでしょう」(山本氏)

旅館の魅力のディテールとは、そこでしかできない「体験」のことだ。

「例えば、地方旅館にとって“雪”と“四季の料理”は大きなアピールポイントになるはずです。冬であれば、雪景色になった温泉旅館街の風景。四季の料理であれば、地元で収穫できる山菜などを使ったオリジナルの料理など、そういった情報を発信すべきです」(山本氏)

タイ人観光客の誘致に成功した佐賀県

旅館であれ地域全体であれ、その場所ならではの魅力をしっかりと見定め、心に届くようにアピールできないことには、インバウンド集客は難しい。

「観光業は、さまざまな産業が関わっているビジネスです。インバウンドをより活性化させるためには、宿泊業だけではなく運輸業や自治体の協力も重要になってきます。地域の関係者が一丸となって、訪日客を迎え入れる体制を戦略的に構築する必要があるでしょう。意識すべきなのは、うまくいった地域のやり方をただまねるのではなく、各地域のオリジナリティーを追求し、魅力を発信することです。例えば、佐賀県ではタイに向けて映画やドラマなどのロケの誘致を行い、見事に成功。複数の人気作品の舞台となり、今では直行便がない状況ながらも、多くのタイ人観光客を呼び寄せています」(宮嶋氏)

たとえ交通の便でデメリットがあったとしても、知恵と工夫次第でインバウンド集客を促すことができるということだ。東北出身である山本氏は、地方の魅力をもっと世界に広めるべく尽力したい、と語る。

「言葉や魅力が伝わっていないために訪問してもらえないのはとても惜しいことです。正しく、効果的にメッセージを発信することで、もっと多くの観光客に振り向いてもらうことができるでしょう。今後、私たちはもっと地方を活性化させるためにも、それぞれの地方の魅力を海外に向けて発信したい方々の力になれればと考えています」 

地方には今、絶好のチャンスが訪れている。追い風が吹いているからこそ、何も策を講じずに現状を維持しているだけではもったいない。知恵と工夫を働かせることで、まだまだ飛躍する可能性が秘められているのだ。

 

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