なぜ必要?小学校プログラミング必修化の裏側

大学入試も変わる教育改革の真のねらいとは

そうした中、世界の教育動向は大きく変化し続けていた。OECDが「これからの子どもたちに必要なのは深くものを考え、変化に対応しながら行動する力だ」と示し、アメリカを中心に諸外国で「21世紀型スキル」を重視することが世界的潮流になったのだ。

「日本の学校教育でも、国立教育政策研究所を中心に『21世紀型能力』を培うべきとする流れが生まれました。21世紀型能力とは、言語や情報スキルをもとに問題解決力や想像力などを養い、それらを社会で実践する能力のことです。そして今回の教育改革で、思考力・判断力・表現力・情報活用能力などの育成が掲げられ、プログラミング教育が導入されることになったのです」

外国に後れを取る日本

教育改革を受け、20年度から小学校で始まるプログラミング教育。しかし、思考力や判断力を養うのに、なぜプログラミング教育なのだろうか。

「プログラミングは思考と判断の積み重ねです。まずは何をしたいのか意図を明確にし、そのためにはコンピュータをどの順序でどう動かすべきか考え、試行錯誤を重ねることになります。そのため、問題を見つける力や論理的思考力が培われるのです。

また、学び方としてアクティブラーニング(主体的・対話的で深い学び)が今回の教育改革で示されていますが、これは、教員が一方的に教えるのではなく、ワークショップやディスカッションを通して学ぶもの。お互い協力しながら、自ら手を動かすプログラミング教育は、まさにアクティブラーニングができる場となるでしょう」

実際に、小学校ではどのようにプログラミング教育が行われるのか。20年度より導入される新学習指導要領の内容を見てみよう。

各教科等の特質に応じて、「プログラミングを体験しながら、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動」を計画的に実施する。     

文部科学省ホームページ 「小学校プログラミング教育に関する資料」より引用

つまり、プログラミングという教科がつくられるわけではない。まずはパソコンやゲーム、家電製品などがプログラムによって動いていることを子どもたちに知ってもらうことから始まる、と中曽根氏は言う。

「実際には、既存の教科にプログラミング教育が取り入れられるのです。代表的な例としては、算数では正三角形を習う際、コンピュータで正三角形を描いてみるというものがあります。子どもたちは正三角形を描くにはコンピュータにどう命令したらいいのかを考え、実行します。どの教科でどのような形でプログラミング教育を取り入れるかは、学校に任されています」

プログラミング教育に関心が集まる一方、気になるデータもある。内閣府の調査によると、日本の子どものノートパソコンの所有率は22.1%。所有率トップを誇るイギリスの75%と比べると、3分の1以下だ(※1)。

出典:内閣府「平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」

また、OECDが15歳の子どものいる家庭でのパソコン利用率を調査したところ、日本は36.2%。順位ではなんと47カ国中46位なのだ(※2)。

こうしたパソコンの所有率や利用率の低さは、パソコンスキルにも反映されている。学校のプログラミング教育を応援するプロジェクト、「MakeCode×micro:bit 200PROJECT」の参加校へのアンケートでは、教員が児童に求めるパソコンスキルと児童の実際のスキルに差があることがわかった。今回の教育改革でも、小学校での「文字入力など基本的な操作の習得」が明示されているが、パソコンが身近にないことにはなかなか難しいだろう。

※1 内閣府「平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」

※2  OECD「生徒の学習到達度調査」PISA 2015

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