ここまで進化したしょうゆ、その魅力とは? キッコーマンのしょうゆ戦略に迫る

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

もともとキッコーマンは、多様なニーズに応えてきた実績がある。60年以上前の1957年に米国に本格的に進出して以来、レシピ開発と店頭デモンストレーション(試食販売)を行い、しょうゆを現地の食生活の中で使ってもらえるよう提案を続け、現在は、世界100カ国以上で販売している。例えば、米国では“肉に合う調味料”として、日本で定番だった魚の照り焼きをヒントに、肉の照り焼きを提案。今ではTERIYAKIは欧米の辞書にも載っている定番のメニューになっており、「TERIYAKI SAUCE」として販売している。また、フランスでは、ご飯にかける甘いしょうゆとして「スクレ」が人気だという。同社はこうした挑戦を今も続けており、2019年6月のG20大阪サミットでは、「キッコーマン ハラールしょうゆ」が使用された。

ハラール認証を取得した「ハラールしょうゆ」。グルテンフリーでもありニーズは幅広い

多用途に対応できるハラールしょうゆ、その魅力

「ハラールしょうゆは、通常のしょうゆ同様、本醸造方式(※)で製造していますが、小麦を使用していないので、グルテンフリーでもあります。ハラール認証では準備も含めて作業量は多く、取得は簡単ではありませんでしたが、今では宿泊施設や外食関係ほか、海外からの労働者の増加やアジアからの留学生の増加によって企業や大学の食堂での採用も増えています」(赤城氏)

※本醸造方式:原料を、麹菌など微生物の力によって、長期にわたり発酵・熟成させて製造する方法

キッコーマンでは今、ハラールやグルテンフリーのようにターゲットとなる層を広げる(=間口を広げる)商品と、長期にわたっておいしく食べることができるよう(=奥行きをもたせる)、低塩・減塩カテゴリーなどの商品に注力することで多様な人々が同じ食卓を囲める社会の実現を目指している。とくに今は同社の強みである発酵技術を用い、うま味による塩味強化などの研究に力を入れているという。

同社ではユーザーがニーズに合わせてしょうゆを使い分けられるように、ホームページや店頭を通じてレシピや上手な使い分け方法を日々提案している。17年からはレストランや飲食店向けのメルマガ配信も開始。ニーズにタイムリーに応える情報提供をすることで、読者が増加しているという。赤城氏は今後、中食・外食の機会が増加傾向にあることを踏まえ、業務用の商品開発やマーケティングに力を入れていきたいという。

「現在、業務用商品関連のホームページの再編成も検討しています。メルマガをはじめ、さまざまなシーンで当社商品に接点を持っていただいた方にとって、商品情報がわかりやすく使い勝手のよいものにする予定です。これからも社会の変化に応じて、お客様のニーズに合わせた商品の開発に取り組んでいきたいと考えています」(赤城氏)

キッコーマン ハラールしょうゆWEBはこちら