ここまで進化したしょうゆ、その魅力とは? キッコーマンのしょうゆ戦略に迫る

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しょうゆは日本を代表する調味料の1つ。そのしょうゆを他社に先駆けて世界で広めてきたのがキッコーマンだ。現地の食文化と融合させ、日常的にしょうゆが使われるようさまざまな努力を続けてきた結果、海外での販売量は年々増加を続けている。その一方で日本国内の家庭用しょうゆ市場は成熟傾向にあるのが実情だ。だが、そうした中で、キッコーマンでは、「密封容器入り」「アレルギー対応」「減塩」「ハラール」「グルテンフリー」など、さまざまなニーズに対応した商品開発を続けている。進化を続けるしょうゆの開発やその動向などについて、キッコーマン食品のプロダクト・マネジャー室プロダクト・マネジャーの赤城靖氏に話を聞いた。

成熟した国内の家庭用しょうゆ市場において、2010年の発売以来、ファンを増やし続けているキッコーマンの「いつでも新鮮」シリーズ。つねに利用者の利便性にこだわり、多様なニーズに対応して商品ラインアップを拡充。現在までに18種類、26アイテムを擁するシリーズに成長し、一般家庭からレストランや居酒屋などの業務用まで幅広く使用されている。

常温保存を可能にした容器、開発にかけたその10年

なぜ「いつでも新鮮」シリーズは多くの支持を集めるのか。その理由の1つが容器だ。同社が独自開発した容器は、空気に触れず、開栓後も常温で90日間(一部商品は120日間)開けたての鮮度を保ち、冷蔵庫で保存する必要がない。また、1滴単位で欲しい量を片手で注ぐことができ、調理中でもストレスなく使用することができる。プロダクト・マネジャーの赤城靖氏が次のように説明する。

プロダクト・マネジャー室
プロダクト・マネジャー
赤城靖氏

「しょうゆは、空気に触れると酸化し、風味が劣化します。その課題を解決するために、しょうゆの鮮度を保つ容器について、発売の10年以上前から研究開発を続けてきました。この『いつでも新鮮』シリーズは常温で保存できるため、しょうゆ差しへのつぎ足しや冷蔵庫での保存などの手間がかからず、家庭向けだけでなく、人手不足に悩むレストランや居酒屋などでも卓上に置くしょうゆとして採用していただく店舗が増えています」

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