「キャッシュレス」導入が店舗を強くする理由 市民権を得たキャッシュレス決済の現状
ジェーシービー(以下、JCB)が行った調査により、国内におけるキャッシュレス化が予想以上のスピードで進んでいることが明らかになった。店員などサービスを提供する現場はキャッシュレス化を歓迎しており、消費者に至ってはキャッシュレス決済できるかどうかをお店選びの際のポイントにし始めている。数字から見えるキャッシュレス決済の現在地とは。
キャッシュレス決済の有無が集客に影響
「調査の結果を見て、一般のお客様の間にも、キャッシュレス決済が急速に進んでいることを改めて感じました」
そう語るのは、JCBの伊藤隆氏。
調査とは、同社が2019年7月3日~9日にかけて行った「キャッシュレス決済に関する調査」のことだ。全国に居住する20~60代の男女1000人および、特定職業従業者(コンビニ/居酒屋のレジ業務担当、タクシー運転手)300人を対象にインターネットで調査を行った。
結果を簡単に言えば、キャッシュレス決済は、もはや「新しモノ好き」が使う方法ではなく、幅広い層に受け入れられ「市民権」を得ているということ。そして、店舗側から見ると、決済手段の選択肢を用意することが集客につながるということだ。
主だった調査結果を見ていこう。
キャッシュレス決済の利用頻度は、週に1回以上キャッシュレス決済を利用する人が約6割(58.0%)、また「キャッシュレス決済のほうが便利」であると回答した人は8割(80.7%)に上っている。
「大多数の方がキャッシュレス決済の利便性を認識していることがわかります。この傾向が続くと、店舗にとっては『キャッシュレス決済できることが当たり前』で、キャッシュレス決済ができなければ不便なお店と見なされる可能性もあります」(伊藤氏)
伊藤氏の指摘は、調査結果からも読み取れる。