金融機関発の認証プラットフォーマーに 数分で口座開設を可能にする最新技術
あらゆる最新技術を盛り込み高精度・高速な照合処理を実現
本人確認の具体的な手順はこうだ。まずユーザーはスマホで顔写真を撮影する。照合の精度を高めるため、スマホの角度や顔の大きさ、明るさなどの基準をすべて満たさなければ、撮影ボタンを押すことができない。また、リアルタイムで本人を撮影したものであることを証明するライブネスチェックも必要だ。
同社開発部長の松山次郎氏は、ライブネスチェックに使われている技術について、こう解説する。
「まばたきを自動検知することで、事前に撮影された静止画ではないことを確認するとともに、事前撮影の動画でもないことを確認するために、光の反射や手ぶれを検知します。後者はパッシブ・ライブネスチェックといい、私たち独自の技術です」
次は免許証など写真付きの本人確認書類の表裏を撮影する。本人確認書類はスマホの画面にランダムに指定されたフレーム内に置いて撮影。真正面からだけではなく、斜めの角度から撮影して、紙に印刷したものではなく、厚みのある本物であることを確認する。
顔写真と本人確認書類の2種類の画像を撮影したら、事業者の保管データベースに送信。途中でポラリファイの照合サーバーにも送られて、照合作業が行われる。
「照合エンジンはディープラーニングで精度を高めています。また、申込者の顔写真と、過去の申込データや事業者が保有するウォッチリストを照合することで、使い回しなどの不正を検知することも可能です」(松山氏)
気になる照合精度は、本人拒否率(本人を本人ではないと認識してしまう率)1%以下に設定した場合、他人受入率(他人を本人と誤認してしまう率)は約50万分の1で、事業者が自由に設定できる。法律には数値が明示されていないが、同社のサービスの照合精度は高水準であり、各国の法律が想定する要件を十分にクリアしている。
スピードにも注目だ。照合処理そのものは1件約2秒で、通信を含めても3~4秒で終わる。このほか反社チェックやスクリーニングなどの本人確認の作業が必要だが、それを含めても最短数分程度で口座開設が可能になる。
最短2~3日だった以前の方法と比べると、雲泥の差である。