サムスンがTwitterでファンを拡大できたワケ 「令和」「クリスマス」モーメントをフル活用

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「キャンペーンに参画することで、新製品発表に先駆けてTwitterの中で大きな話題を生むことができました。ショートムービーの最後に新製品をほのめかすシーンを入れていたため、視聴後に当社のコーポレートサイトを訪問し、サイト上で新製品の情報を探す利用者も多く確認できました」(荻原氏)

これはTwitterがティザー広告としての役割をも担えるいい例だ。テレビCMでティザー広告を行うことはコスト面からも容易ではないが、Twitterなら予算に合わせたキャンペーンを行える。実際、「#令和最初の夢」では、動画を効果的に使うことで新商品の期待感を醸成することに成功している。

新商品のローンチ時にTwitterを活用する企業が増えている、と斎藤氏は紹介する。

「リアルタイムでライブ配信ができるなど、フォーマットの柔軟性とタイムリー性を兼ね備えているところは、Twitterの特徴でもありますし、リアルタイム性が重要な新商品ローンチ発表会などにとても適していると考えています」

オリンピックのO2O施策も

サムスンは東京2020大会のスマートフォンを含む通信機器分野のワールドワイドオリンピックパートナーとして貢献する。2019年3月には、ショールーム「Galaxy Harajuku」を東京・原宿にオープンした。

ショールーム「Galaxy Harajuku」(ギャラクシー ハラジュク)

「ここでは、若い世代のお客様に最新製品を紹介するとともにオリンピックスポンサーとしての取り組みも展示しています。Twitterも活用しながら、開催に向けて期待感を醸成し、開催期間中はさらに大いに盛り上がる場になることを願っています」(荻原氏)

これはTwitterに対する期待の表れでもある。Twitterは、リアルタイム性やインタラクティブ性に強みがあるために、O2O(オンライン・トゥ・オフライン)など実店舗との連携もでき、立体的なコミュニケーションを設計できるためだ。

サムスンは、Twitterというデジタルプラットフォームを最大に活用しつつ、リアルな場も生かしながら、利用者と密度の濃いコミュニケーションを実現しようとしている。まさに「情緒的価値」を提供する仕組みができつつある。マーケティング施策を考えるうえで、Twitterの役割はますます重要になりそうだ。

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